まえがき
序 章 東南アジアの現実とリスケーリング(玉野和志)
第Ⅰ部 「国家のリスケーリング」とアジア
第1章 ニール・ブレナーの「国家のリスケーリング」理論――国家空間と都市空間の不均等な重なり(林 真人)
1 「新しい国家空間」とはなにか
2 New State Spacesの理論的基礎
3 リスケーリングの理論化と事例研究
4 ルフェーブル、惑星的都市化、リスケーリング研究の現在地
第2章 東アジアにおけるリスケーリング論をめぐって(齊藤麻人)
1 東アジアにおける「リスケーリング論」
2 日本と韓国における個別事例の検討
3 東アジアの「開発主義国家」とリスケーリング
4 リスケーリング論の可能性
Essay 1 歴史からみる東南アジアの国家とリスケーリング(長田紀之)
1 東南アジア国家論と周縁へのまなざし
2 近代国家という経験
3 地域の歴史とリスケーリング
Essay 2 東南アジア都市論とリスケーリングの視座(船津鶴代)
1 リスケーリング論と東南アジア
2 「過剰都市論」から「メガ都市(都市圏)」の形成へ
3 東南アジアの都市論とリスケーリング
第Ⅱ部 東南アジアにおける資本戦略の再編とリスケーリング
第3章 インドネシア首都圏形成過程にみるリスケーリング(新井健一郎)
1 リスケーリング理論の脱領域化/再領域化
2 ジャカルタ――その後背地の形成
3 Fixとしての首都圏
4 民主化後の首都圏開発
第4章 フィリピン―ナショナルの不在と希求(日下 渉)
1 植民地主義と国民国家の形成
2 ナショナルの模索と頓挫
3 グローバル経済とナショナルの希求
4 自由民主主義の後退
第5章 マレーシアにおける天然ゴム製造業の台頭と躍進――国家の成長戦略を越えて(河野元子)
1 マレーシアというアリーナ
2 マレーシアの天然ゴム産業発展前史
3 新経済政策の導入と天然ゴム産業の変容
4 天然ゴム製造業の台頭と躍進
5 越境する国内民間ゴム製造業――機会の創出と国家の課題
第Ⅲ部 東南アジアにおける「中所得国の罠」と経済発展戦略
第6章 タイにおける官僚制と産業空間の再編(船津鶴代)
1 タイの空間政策とアクター間関係
2 拠点開発政策の始まりと官僚政体――1958~1988年
3 民主化・経済危機と官僚制の動揺――1989~2000年
4 投資空間の変容と拡大メガ都市圏の成立――相互依存のジレンマ
5 タックシン政権から官僚主導への回帰
Essay 3 「中所得国の罠」脱出を模索するタイ経済(三好友良)
1 プラユット政権の産業政策
2 経済開発と社会開発・中国との関係のバランス調整
3 新たな国家アジェンダの登場
4 プラユット政権の9年間とタイ経済のこれから
第7章 ASEANスマートシティ・ブームのダイナミズム――背景・アクター・課題(岡本正明)
1 リスケーリング論とスマートシティ・ブーム
2 ASEANにおけるスマートシティ・ブーム
3 ASEANでのスマートシティ・ブームの背景
4 都市以外のスケール中心のスマートシティの課題
5 都市スケール中心のスマートシティの課題と可能性
第8章 ベトナムの地域開発政策と経済特区法案(石塚二葉)
1 ドイモイ期ベトナムの経済発展と開発政策
2 2010年代以降の開発政策の動向
3 ベトナムの経済特区政策と経済特区法案の顛末
4 経済特区モデルによるリスケーリング戦略の可能性
Essay 4 ラオスの経済発展戦略とラオス―中国鉄道(オンパンダラ・パンパキット[翻訳 ケオラ・スックニラン])
1 ラオスの経済発展における隣国との連結性の重要性
2 ラオスと中国の経済協力
3 ラオス―中国鉄道の可能性と課題
4 政府の戦略と今後の方針
終 章 東南アジアにおけるリスケーリング(玉野和志)
人名・事項索引
Table of Contents (in English)