シリーズ・現代社会学の継承と発展
都市とモビリティーズ 3
著:金子 勇
著:吉原 直樹
内容紹介
都市というものは人々が集まることに出自するが、グローバル化、そしてその変容が進みヒト・モノ・コトの移動(モビリティーズ)のあり方が激変する今日、都市を捉える社会学の理論にも刷新が求められている。本書は、蓄積されてきた先行研究を丁寧に検証したうえで、階級構造、コミュニティ、政治、文化との関わりから新時代に向けた理論の構築を試みる。最前線で活躍する研究者が結集し、日本の都市社会学の到達点とその先を展望する一冊。
目次
はしがき
第1章 「未知の未知」に挑む都市社会学──くれ惑う都市的世界から(吉原直樹)
1 都市社会学の存在証明のために
2 きらめく都市・ゆらぐ都市・反転する都市
3 黙示録としての都市社会学
4 都市社会学の再審
5 ナラティヴとしてのコミュニティへ/から
6 トランジション・シティの「表」と「裏」
7 「既知の未知」から「未知の未知」へ
8 外に開かれた都市社会学へ
第2章 格差と都市空間の社会学──現代日本における階級構造の変容と大都市分極化(橋本健二)
1 現代日本における格差拡大の進行と地域間格差
2 現代資本主義社会の階級構造とその変容
3 現代資本主義と都市
4 使用するデータと階級カテゴリーの操作化
5 三大都市圏の階級構成と階級格差
6 三大都市圏の空間構造とその変化
7 ジェントリフィケーションとその諸結果
8 階級闘争の空間としての都市
第3章 都市社会学のコミュニティ論──その論理と現代的課題 (中筋直哉)
1 コミュニティへの学説史的アプローチ
2 近代化──コミュニティ論の歴史的文脈
3 都市コミュニティ論のユニークさ
4 都市コミュニティを支える都市の精神
第4章 グローバル都市研究から大都市の国家リスケーリング研究へ──批判的都市研究による「大阪都構想」へのアプローチ (丸山真央)
1 ネオリベラル・グローバル化の転機に
2 グローバル化する都市、ネオリベラル化する都市
3 大都市の国家リスケーリング
4 大都市の国家リスケーリングとしての大阪都構想
5 ネオリベラル・グローバル化以後の批判的都市研究に向けて
第5章 都市と文化の社会学──企業家主義的都市論から文化生産論へ(笹島秀晃)
1 「都市と文化の社会学」とは何か
2 黎明期の都市と文化の社会学
3 日本において都市と文化の社会学を展開する
4 二〇〇〇年代以降の都市と文化の社会学──細分化と精緻化
5 都市と文化の比較社会学、文化生産の都市社会学へ
あとがき
人名・事項索引
ISBN:9784623096374
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:264ページ
。定価:3500円(本体)
。発行年月日:2023年09月
。発売日:2023年09月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB。