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学問へのファーストステップ

国際関係論入門 5

編:草野 大希
編:小川 裕子
編:藤田 泰昌

紙版

内容紹介

「国」と「国」の間の関係として捉えられてきた国際関係とは何か。本書は、一見すると遠くにあるようで、実際には近くに存在する国際関係についての主要な「理論」と「争点」を、大学1年生が日常生活で経験する国際関係を基にしたストーリーと共に、わかりやすく紹介。
国家間の対立と協調から非国家主体の活躍まで、多様な国際関係に4つの理論学派からアプローチする。国際関係論を学ぶ大学生が最初に紐解くべき必携の入門書。

目次

はしがき

序 章 遠くて近い国際関係を学ぼう(草野大希・小川裕子・藤田泰昌)


 第Ⅰ部 国際関係の構図 

第1章 国際関係の全体像を知ろう(草野大希・藤田泰昌)
 1 国際関係とは何か――国際関係を「定義」する
 2 ウェストファリアから世界へ――主権国家体制の誕生と拡大
 3 3つの分析レベルから国際関係を見てみよう
 コラム1 冷戦後に顕在化した主権国家体制の「ほころび」?


 第Ⅱ部 国際関係論の主要理論 

第2章 リアリズム――ジャングルの世界の権力闘争?(西田竜也)
 1 リアリズムの基本的考え方
 2 古典的リアリズムとネオリアリズム
 3 アナーキーの重要性
 4 勢力均衡
 5 同盟
 6 覇権
 コラム2 日米同盟における「見捨てられ」,「巻き込まれ」の問題

第3章 リベラリズム――ジャングルを克服して平和をつくろう!(山越裕太)
 1 リベラリズムの基本的考え方
 2 平和をつくる三角形――リベラル・ピース
 3 民主主義国家どうしがつくる平和――平和をつくる三角形(1)
 4 経済的相互依存がつくる平和――平和をつくる三角形(2)
 5 国際組織がつくる平和――平和をつくる三角形(3)
 コラム3 民主的平和の後退?

第4章 ラショナリズム――合理的に選択してなぜ戦争が起こるのか?(中村長史)
 1 国や人は合理的?――合理的選択という仮定
 2 合理的な主体による戦争?――交渉の失敗としての戦争
 3 合理的主体による交渉失敗?――交渉失敗の3つのメカニズム
 コラム4 強制と安心供与の組合せとしての日本の安全保障政策

第5章 コンストラクティビズム――世界は「社会的に構築」できる!(政所大輔)
 1 コンストラクティビズムによる挑戦
 2 コンストラクティビズムの理論的視座
 3 国際規範の拡散――規範のライフサイクル
 4 国際規範の多様な展開
 コラム5 規範の拡散における非欧米(non-Western)主体の活躍


 第Ⅲ部 国際関係論の争点 

第6章 国家間の戦争と平和――大国間の「悲劇」は繰り返されるのか?(板山真弓)
 1 第1次世界大戦
 2 第2次世界大戦
 3 「冷戦」という名の平和
 4 冷戦後の世界――1極時代から大国間競争の復活へ
 コラム6 拡大抑止――日米安保体制を例として

第7章 内戦と平和構築――隣人どうしが「敵」になる悲劇にどう対処するのか?(中内政貴)
 1 なぜ内戦は起こるのか
 2 冷戦後の国際社会で多発する内戦
 3 国際社会による内戦への介入
 4 平和構築
 コラム7 ルワンダの悲劇と国際社会の対応

第8章 国際貿易――自由貿易は誰にとって得なのか(冨田晃正)
 1 自由貿易と保護貿易――貿易と国家
 2 貿易をめぐる国内政治社会の動き
 3 国際貿易体制の展開
 4 グローバル化する貿易――グローバル・バリューチェーンの出現
 5 貿易と連関する安全保障
 コラム8 メガ FTA時代

第9章 国際金融――国境を越えるマネーはどのように管理されているのか(杉之原真子)
 1 国境を越えて動くマネー
 2 誰が国際金融システムを管理するのか?
 3 通貨をめぐる国際関係――通貨制度と通貨外交
 4 頻発する国際金融危機――発生メカニズムと危機対応
 コラム9 仮想通貨(暗号資産)と国際関係

第10章 開発協力――地球上の誰もが発展できる世界を求めて(小川裕子)
 1 開発協力とは何か――概念・主体・種類
 2 開発援助のはじまり(1940年代後半~50年代)
 3 開発援助の国際制度化(1950年代~60年代)
 4 望ましい開発援助のアイディアを求めて(1970年代~2000年代)
 5 新興国の台頭とポスト開発援助時代の到来(2010年代)
 コラム10 世銀の融資を受けて開通した東海道新幹線

第11章 地球環境――環境を「維持」するのも「壊す」のも私たち次第(井口正彦)
 1 地球環境問題とは
 2 地球環境問題の登場
 3 地球環境レジーム
 4 地球環境問題とSDGs
 コラム11 新興国と温暖化交渉

第12章 人権と人の移動――人間としての権利をどう守るのか(赤星 聖)
 1 人権規範の誕生と発展
 2 なぜ国家は人権条約を締結するのか
 3 なぜ国家は人権条約を遵守するのか
 4 人権と人の移動――難民保護をめぐって
 コラム12 国内避難民問題とは何か?

第13章 グローバル化とグローバル・ガバナンス――世界の秩序づくりに参加しよう!(草野大希)
 1 グローバル化する世界
 2 グローバル化と国際関係理論
 3 グローバル・ガバナンス――誰がどのように地球を管理するのか?
 4 反グローバル化の高まりとグローバル・ガバナンスの動揺
 コラム13 「日本のトランプ」が登場しないのはなぜか?


人名索引
事項索引

著者略歴

編:草野 大希
2023年6月現在
埼玉大学大学院人文社会科学研究科/教養学部教授
編:小川 裕子
2023年6月現在
東海大学政治経済学部教授
編:藤田 泰昌
2023年3月現在
長崎大学 経済学部准教授

ISBN:9784623095773
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:370ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS