序 章 人口減少社会における地域福祉活動と生活支援(高野和良)
1 地域福祉活動と地域社会支援
2 地域福祉活動と地域集団参加との関係
3 地域福祉活動と時間軸との関係
4 地域福祉活動と関係性の形成
第Ⅰ部 不安定化する関係性の継続――過疎地域の現実
第Ⅰ部の目的
第1章 主体性の回復と地域福祉――過疎地域からのメッセージ(小松理佐子)
1 「平成の大合併」と条件不利地域
2 高山市の市町村合併と高根地域
3 市町村合併のインパクト
4 過疎地域からのメッセージ
5 過疎地域からのメッセージを読み解く
6 「平成の大合併」がもたらしたもの
第2章 多死社会化における過疎高齢者と地域社会――関係性の切断と回復の視点から(高野和良)
1 過疎高齢者の抱える不安
2 過疎高齢者の生活と社会参加活動
3 関係性維持のための福祉と保健医療の連携
4 関係性の切断への対応
5 過疎高齢者の生活継続
第3章 地域と切断される高齢者――葬儀の変容がもたらす関係性の切断(大井智香子)
1 葬儀が問いかけるもの
2 村落共同体におけるつながり
3 葬儀の変遷
4 飛騨地域における葬儀の変遷
5 葬儀の変容が近隣のつながりに与えた影響――縦横に関係性を切断されていく人々
6 縦横のつながりを手がかりに
第Ⅱ部 包括支援体制と過疎地域
第Ⅱ部の目的
第4章 持続可能な相談支援システムの運営――非専門職の活用の視点から(小松理佐子)
1 人口減少に伴う専門職の不足
2 地域における支援の組織化
3 相談支援システムの中での民生委員の活動の実態
4 民生委員を支える体制の現状
5 持続可能な相談支援システムの設計
第5章 地域福祉課題への態度と地域福祉活動参加経験――三鷹市・茅野市・都城市における社会調査結果から(高野和良)
1 地域福祉活動と地域の範囲
2 地域福祉政策と地域社会への期待
3 地域圏域と地域福祉課題対応への態度
4 地域の範囲と地域福祉課題への態度
第6章 過疎地域における生活支援サービスの創出――政府と市場の間(小松理佐子)
1 生活の継続という課題
2 「地域」というセクター
3 生活支援サービスというチャンネル
4 ダイナミズムを生む「地域」の組織化の方法
5 生活保障の一部としての「地域」の課題
第Ⅲ部 過疎地域がつくる生活支援のかたち
第Ⅲ部の目的
第7章 人口減少地域における「包括的」なシステムの模索 ――山形県最上町の歩みから(小松理佐子・永井裕子)
1 福祉先進自治体の隘路
2 最上町の地域包括ケアシステム
3 介護保険制度の導入
4 最上町版地域包括ケアシステムの岐路
5 再び地域包括ケアシステムの構築へ
6 新たな「包括的」システムへの転換の兆し
第8章 「限界集落」で共に生きる場を紡ぐ――岐阜県高山市「のくとい館」(小松理佐子)
1 「限界集落」の潜在能力
2 市町村合併がもたらした地域の変化
3 冬季ファミリーホーム「のくとい館」
4 10年後の「のくとい館」――新たなステージへ
5 「のくとい館」のこれから
6 共に生きる場を紡ぐ地域福祉
第9章 社会福祉協議会が取り組む地域資源開発(大井智香子)
1 社会福祉協議会に焦点をおいて
2 社協と資源開発
3 紀宝町社協の概要
4 紀宝町祉協の取り組み――地域社会の資源を見つけ,つなげて再構築する
5 社協が取り組む地域資源開発・サービス創出の意義
終 章 人口減少時代の生活支援――関係性の変容を生む地域福祉(小松理佐子)
1 人口減少時代の到来
2 人口減少は何をもたらすか
3 持続可能な生活支援体制
4 地域福祉論再考
5 関係の維持と再生のために
初出一覧
あとがき
索 引