凡 例
序 章 「プーミポン国王」とは何だったのか
1 はじめに
2 本書の課題と構成
3 君主制研究の先行研究と課題
4 タイの君主制に関する先行研究と課題
第一部 「国王神話」の黎明
第一章 プーミポン国王が背負った「使命」
1 タイ王室の盛衰
2 タイにおける理想の「国王」とは
3 行幸回数の膨大さ
4 誇張された宣伝――実態との乖離
第二章 行幸開始前夜
1 政治的立場の確立とプーミポンの帰国
2 「陛下の映画」の誕生――広がり始める国王の存在感
3 巡る「陛下の映画」
4 地方行幸の始まり――唆すアメリカ、渋る政府、催促する国王
小 結
第二部 「国王神話」の揺籃
第三章 プーミポン国王が行く
1 急ごしらえの初行幸――中部を周る
2 史上初の東北部行幸――奉迎セレモニーは成功するか
3 美しくない舞台裏
4 「美しき奉迎風景」の上映と拡散
第四章 膨らむ国王の存在感
1 サリットの台頭と王室の権威高揚
2 奉迎経験を後世に伝える――プライドをかけた北部での奉迎
3 膨大な随行員の管理方法
4 死者の出る会議――激務をこなす知事代理
5 北部行幸を手本として――南部行幸
第五章 分身化する映画、奉迎の「完成」
1 映画の「擬似奉迎」
2 海外に「出される」国王
3 「ありがたい」映画――「分身」が繋ぎ止める国王の存在感
4 奉迎のマニュアル化――繰り返され身体化する奉迎セレモニー
5 増え始める「人民訪問」
6 下火になる「陛下の映画」
小 結
第三部 「国王神話」の佳境
第六章 生身の国王が行く
1 急増する地方行幸
2 1973年と1976年という二つのターニングポイント
3 「身近な国王」としてのパフォーマンス
第七章 御簾の奥へ
1 政治化する国王の公務
2 国王の意向を表明する「国王ご考案プロジェクト」
3 直接見る国王から、学校教育と御真影で見る国王へ
4 プレームという立役者
5 表舞台からの転進
小 結
補 論 タイにおける映画の歴史
1 映画の黎明期――高級/中級娯楽としての映画
2 映画産業の発展
3 映画産業の黄金期と冷戦――1960年代
4 王室・政府主導型の映画産業
終 章 神話「プーミポン国王」の誕生
1 神話は如何に創出されたか
2 「国王神話」の薄暮
結びに
付録 「陛下の映画」17本の内容
付表
1 プーミポン国王家系図
2 映画雑誌『パーパヨンサーン』の巻頭特集1ページ目
3 映画雑誌『パーパヨンサーン』の巻頭特集2ページ目
参考文献
人名索引/事項索引