はしがき
序 章 モビリティーズ・スタディーズのめざすもの
1 ポスト移動研究の先駆け
2 モビリティーズ・スタディーズの底流
3 本書の構成
第Ⅰ部 社会を読み直す――ラトゥールからアーリへ
第1章 「社会的なもの」の問い直し――ラトゥールの問いから
1 ラトゥールの「社会的なもの」
2 社会学的言説における「社会的なもの」
3 〈社会学的〉メタファーの位相
4 モビリティーズ・スタディーズへの理路に向けて
第2章 「空間論的転回」から「移動論的転回」へ――アーリを読む
1 市民社会論者としての立ち位置
2 「空間論的転回」の道筋
3 「移動論的転回」の地層――「非線形的思考」の含意と「創発」のメカニズム
4 モビリティーズ・スタディーズにおける弁証法的契機
5 「未知の未知」のゆくえ
6 協働体をめざして
第Ⅱ部 モビリティーズ・スタディーズへ――理論的開示に向けて
第3章 モダニティと「時間と空間」
1 モダニティの両義性
2 モダニティのなかの「時間と空間」(1)
3 モダニティのなかの「時間と空間」(2)
4 モダニティの両義性から再帰性へ
第4章 グローバル化と「時間と空間」――ギデンズからハーヴェイへ
1 モダニティの両義性へのまなざし
2 「時間と空間の圧縮」と表象の危機
3 「時間と空間の圧縮」から「場所の差異化」へ
4 「はじまり」としての空間から資本主義へ
5 ギデンズとの相似性――「時間と空間の遠隔化」を読む
6 実践的唯物論からの離床の可能性
第5章 社会空間論への道標――ルフェーヴル『空間の生産』をめぐって
1 「空間の生産」の三つの概念・次元
2 身体の三重性
3 空間的身体から身体のリズムへ
4 日常生活批判、都市論と『空間の生産』の間
5 モビリティーズ・スタディーズの水源をもとめて
第6章 モビリティーズ・スタディーズの源流――ジンメルを読む
1 都市社会学におけるジンメルの位置転換
2 モビリティーズ・スタディーズからみたジンメル(1)
3 モビリティーズ・スタディーズからみたジンメル(2)
4 ジンメル都市論から
第7章 グローバル化・モビリティーズ・コミュニティ――一つの視座設定
1 グローバルな複雑性と「非線形的思考」
2 モビリティーズ・スタディーズの方法的拠点と方向性
3 「創発するコミュニティ」のメカニズム
4 コミュニティ・オン・ザ・ムーブ
第Ⅲ部 モビリティーズ・スタディーズから――経験的地平をもとめて
第8章 「越境」の変容とゆらぐ海外日本人社会
1 海外日本人社会はどのようにして形成されたか
2 移動と越境
3 グローバル化の進展と越境の変容
4 トランスマイグラントの存在形態
5 ゆらぐ海外日本人社会――一極集中型から多極分散型へ
6 パラダイム・チェンジをもとめて
第9章 エグザイルからポスト・エグザイルへ――「災厄と移動」への一視点
1 大熊町民の分散居住・避難と移動
2 エグザイルとしての避難者
3 コミュニティとサロンの間
4 二つの時間と二つの空間
5 ポスト・エグザイルの地層
第10章 ポスト・オートモビリティのゆくえ
1 オートモビリティと「時間と空間」
2 自動車文化の三つの時代
3 オートモビリティの非線形的な形状
4 ポスト・オートモビリティの地層
5 いま再び「非線形的思考」を問う
第11章 トランジション・シティへ――「ウィズ・コロナ」からさぐる
1 「いまを見る目」から浮かびあがるもの(1)
2 「いまを見る目」から浮かびあがるもの(2)
3 「未来を見る目」から立ちあがるもの
4 トランジション・シティの要件
5 「マイクロな生活」の行き先
補 論 ソーシャル・ディスタンスの明と暗
終 章 モビリティーズ・スタディーズのさらなる展開に向けて
1 モビリティーズ・スタディーズのインパクト
2 さらなる展開に向けての二つの課題
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引