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社会教育新論

「学び」を再定位する

編:牧野 篤

紙版

内容紹介

人生100年時代のいま、
「学び」を社会に実装する必要がある。
そのためには何が必要だろうか。
社会基盤としての「社会教育」のあり方を
問い直す議論の出発点がここにある。

目次

序 論 「学び」を社会に再定位する――本書の課題
 1 当事者性を問い返す
 2 行き場のない社会
 3 地域社会とは何か
 4 信頼と自治のプロセスとしての地域
 5 学校教育と社会教育
 6 社会教育を再考する
 7 社会教育における「自由」
 8 「学び」を再定位する


 第Ⅰ部 「学校」をかんがえる

第1章 地域から学校を組み換える
 1 変革を迫られる学校
 2 学校と地域の関係に関する改革動向
 3 問われる地域の位置づけ
 4 課題と展望

第2章 学校の「公共性」を問い返す――民間教育事業者との連携の意味
 1 学校教育における「多様な担い手」の登場
 2 「民間教育事業者」とは何者か
 3 学校教育の「新たな担い手」としての「学習塾」の登場とその意味
 4 「民間教育事業者」はいかにして学校教育の\ 「担い手」になっていったのか
 5 「学習塾」はいかにして学校教育の「担い手」に なっていったのか
 6 教育学で「学習塾」はどのようにとらえられてきたのか
 7 社会教育的な観点から変容する「公共性」をとらえ返す

第3章 アソシエーションは可能か――自治団体としてのPTAを考える
 1 戦後PTAはなぜ導入されたのか
 2 教育の分権化に向けて:PTAと地域の関係
 3 自治団体としてのPTAを問い直す


 第Ⅱ部 「自治」をあらたにする

第4章 社会教育施設と自治の創造
 1 第二次大戦後の社会教育施設
 2 各施設の現在とその理念
 3 集まることの意味
 4 集まれない今

第5章 社会教育における仮想空間のインパクト――オンラインによるコミュニティの形成と公民館
 1 社会教育における「オンライン公民館」の意味
 2 公民館とはなにか
 3 オンライン公民館の登場
 4 対面実施とオンライン実施の相違点
 5 オンライン公民館のインパクト

第6章 教育と福祉を架け橋する――学びと自治による地域のあり方
 1 20年後の私たちの暮らしはどうなるのか
 2 コロナ禍が露わにした「セーフティネット」の脆さ
 3 社会教育と福祉の結合
 4 教育と福祉の結合がつくりだす地域のセーフティネット
 5 学びと自治を基盤とした地域づくり


 第Ⅲ部 「青年」をふりかえる

第7章 青年の職業的社会化――専門学校における学びを対象として
 1 専門学校における教育・学びについての誤解
 2 専門学校における教育・学びの特徴とは
 3 専門学校教育における学びを通して得られるもの
 4 職業的社会化概念の射程

第8章 「地方」出身の青年にとっての「地元志向」を考える
 1 「地方」出身者にとっての「地元」
 2 「地元志向」は避けるべき?
 3 「都市」と「地方」の非対称性と「希望」としての教育
 4 「希望」を具体化する「標準的」キャリアと 「地方から都市へ」の自明視
 5 既存の価値観を相対化する社会教育学の方法論

第9章 闘争から共生へ――都市青年の生き方へのまなざし
 1 孤立する青年の生きづらさ
 2 「青年」とは何者か
 3 断絶と闘争の青年観
 4 青年の社会参加の実態
 5 共生としての生き方


 第Ⅳ部 「学び」をおきなおす

第10章 「声」の教育方法――文字・眼の普遍性・抽象性から声の具象性へ
 1 教える者と教えられる者
 2 書き言葉を基本とした「語り」
 3 口演童話の誕生と発展
 4 松美佐雄の童話論
 5 子どもたちの姿
 6 子どもと教師の関係
 7 現代の教育への示唆

第11章 余暇(レジャー)と社会教育の関係を見直す――「シリアスレジャー」の再発見
 1 公民館の利用実態
 2 日本における「余暇」の流行と衰退
 3 余暇観の多様性
 4 シリアスレジャーを通じたself-cultivationと社会教育学

第12章 「学び」という運動――自治と当事者性の基盤として
 1 当事者性のズレが生み出す駆動力
 2 PDCAサイクルからAAR循環運動へ
 3 ワークショップという「形式」と「ことば」を介した循環


あとがき
注 釈
引用・参考文献
人名索引
事項索引

著者略歴

編:牧野 篤
2022年5月現在
東京大学大学院教育学研究科教授

ISBN:9784623093366
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年04月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN