政策起業家が社会を変える
ソーシャルイノベーションの新たな担い手
著:M・ミントロム
訳:石田 祐
訳:三井 俊介
内容紹介
近年「政策起業力シンポジウム」が開催されるなど、政策起業家への関心が高まりつつある。本書は、約30年にわたり研究している著者が、政策起業家に関する研究の要点を整理するとともに、事例を踏まえて政策起業家が採るべき戦略・活動しやすい環境等を解説したものである。また、日本における政策起業家の活動事例などを紹介。今後の政策決定プロセスを考える上で有用な一冊。
(原著:Michael Mintrom(2020)Policy Entrepreneurs and Dynamic Change , The University of Chicago Press.)
目次
日本語版刊行にあたって
第1章 チェンジ・エージェントとしての政策起業家
1 ビジネス、社会、政治における起業家
2 代表的な政策起業家
3 政策起業家に共通して見られる特性
4 使用する用語の定義
5 政策起業家に関する研究
第2章 政策起業家とはどのような行動をする人物なのか
1 戦略的思考
2 問題に対する視点の構築──問題のフレーミング
3 チームビルディング
4 ネットワークの活用と拡大
5 アドボカシーグループとの協働
6 実現可能性の明示──模範を示してリードする
7 変革プロセスのスケールアップ
8 結 論
第3章 政策決定プロセスにおける政策起業家
1 政策決定プロセスに関する理論と政策起業家
2 増分主義(Incrementalism)
3 エリート理論(Elite Theory)
4 制度主義(Institutionalism)
5 多元的流路アプローチ(Multiple Streams Approach)
6 断続均衡理論(Punctuated Equilibrium Theory)
7 アドボカシー連携フレームワーク(Advocacy Coalition Framework)
8 政策決定プロセスに政策起業家が入り込む機会
9 結 論
第4章 政策起業家が出現する環境要因と影響の評価
1 政策起業家の出現に関する研究
2 政策起業家の影響力の検証
3 戦略の有効性の検証
4 ダイナミックチェンジの検証
5 結 論
第5章 将来の研究の方向性
1 他の人とは一線を画すアクターとしての政策起業家
2 環境が政策起業に及ぼす影響
3 政策起業家が用いる戦略
4 活動の効果に対する評価
5 政策起業家とダイナミックチェンジ
6 政策起業家と政策のスケールアップ
7 結 論
第6章 不確実性の高い世界における公共政策の推進
1 政策議論の促進
2 アドボカシーグループの構築
3 成功例の明示
4 ダイナミックチェンジの牽引
5 結 論
補 論 なぜ政策起業家は重要なのか──NPO法人SETの事例を中心に
1 日本における政策起業家をめぐる動向
2 東日本大震災と政策起業──NPO法人SETの取り組みを事例に
訳者あとがき──ビジネスではすべての社会問題は解決できない
参考文献
索 引
ISBN:9784623093199
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:4-6
。ページ数:240ページ
。定価:2500円(本体)
。発行年月日:2022年03月
。発売日:2022年03月09日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ。