はじめに
序 章 はじめての考古学学習
1 考古学の理論と方法論
2 考古学の学問的な位置付け
3 学習者に求められる姿勢
第Ⅰ部 考古学とはどのような学問か
第1章 考古学とは何か――学習の前提知識
1 考古学のイメージ
2 考古学は総合科学としての「遺跡学」
3 「発見の学」としての考古学
4 遺跡には何が残されているか
5 考古学の守備範囲と限界
6 「類推」と「脈絡」の学問
7 広がる研究の対象・方法と考古学の可能性
第2章 考古学の研究素材――考古資料とはどのようなものか
1 考古学の範囲と研究素材
2 目に見えるモノ資料
3 目に見えないモノ資料
4 考古資料の特性
5 資料の重要度
コラム1 実験考古学・使用痕分析
第3章 考古学研究の始まりと展開――世界と日本の学史
1 学史・研究史を学ぶ意味
2 過去への関心――考古学成立への前史
3 「考古学的調査研究」誕生の背景
4 発掘の歴史と研究の歴史
5 日本における考古学の成立
第4章 考古学調査のプロセス――フィールド調査から報告書刊行まで
1 考古学調査の内容と意義
2 考古学調査の種類と進め方
3 調査計画の立案と調査準備
4 分布調査(踏査)と測量・GPR(地中レーダー探査)調査
5 発掘調査
6 室内整理作業
7 報告書の刊行
コラム2 民族考古学
第Ⅱ部 考古学による年代決定
第5章 考古学による時代区分――時代区分の名称と実態
1 考古学の最初期の役割
2 何をもって時代区分の基準とすべきか
3 世界史における考古学的時代区分の諸相
4 時代区分ができあがる過程
5 時代区分の功罪
第6章 考古資料の分類と型式学――資料に秩序を与える意味
1 考古資料の特徴――遺構と遺物
2 分類の視点
3 モノから時間を知る
4 モノから空間を知る
5 型式学の運用――名称の決定とわかりやすさ
コラム3 環境考古学
第7章 考古学における二つの年代――相対年代と暦年代
1 様々な時間
2 相対年代と暦年代
3 異なる遺物や遺構を組み合わせる相対年代
4 年号を有する考古資料を利用した暦年代
5 理化学的分析により暦年代が与えられた実例
6 モノから年代を知る重要性とその限界
第8章 考古学で検証する年代の順序――層位学と遺構の切り合い
1 層位とは何か
2 土層の区別(分層)はどのように行うのか
3 層序を利用した時間とは
4 遺構の重なりは新旧を確定する手段
コラム4 災害考古学
第9章 自然科学的方法による年代決定――考古学の理系分野
1 数値年代を特定する方法
2 放射性炭素年代測定法(炭素14年代法)
3 年輪年代法
4 酸素同位体比年輪年代法
5 年縞の利用
6 考古地磁気年代法
第10章 考古学における年代論争――年代論はどこへ行くか
1 縄文時代の年代論――縄文時代の始まりと「本ノ木論争」
2 弥生時代の年代観
3 古墳時代の暦年代
4 古代の年代論
5 年代論の今後
コラム5 認知考古学
第Ⅲ部 考古学研究でわかること
第11章 考古学と文献史学――歴史を研究する多様な方法
1 考古学と史料
2 木簡の調査と研究
3 漆紙文書・墨書土器・刻書土器
4 金石文と墨書
5 文書行政と硯
6 考古学と文献史学との関わり
第12章 考古資料の解釈(1)――資料分布とその変化は何を表すか
1 考古資料の分布とは――資料の空間的位置
2 分布の対象と類型
3 遺跡内分布と遺構内分布――遺構配置と遺物の原位置
4 「無分布」の意味
5 資料分布は何を表すか
コラム6 求められる遺物・遺跡の保存・活用とは
第13章 考古資料の解釈(2)――遺構論
1 遺構を解釈する基本
2 墓をめぐる解釈
3 建物をめぐる解釈
4 出土遺物をめぐる解釈
5 遺構の解釈のまとめ
第14章 考古資料の解釈(3)――型式差が表す人間集団の正体
1 考古学で理解できる人と社会
2 考古資料の集合体から人間・文化集団を復元する
3 個人を語る
4 物質文化と格差
5 年齢と性別
6 考古資料と家族
コラム7 考古学者として働く道
付録1 ブックガイド
付録2 考古学の学習と文献
図版出典一覧
索 引