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Minerva KEYWORDS 10

ハンドブックヨーロッパ外交史

ウェストファリアからブレグジットまで

編:岩間 陽子
編:君塚 直隆
編:細谷 雄一

紙版

内容紹介

ウエストファリア体制の成立、二度の世界大戦、冷戦、そしてEUの誕生と変容??。いち早く産業革命に成功して世界中を支配し、今日も世界政治を左右するヨーロッパ諸国は、いかなる外交を展開してきたのか。本書では、16世紀後半から今日に至るまでの近現代ヨーロッパ外交史における70の要点を取り上げ、最新の知見を盛り込みながらそれぞれの背景・展開・意義を詳述、その全貌を明らかにする。

目次

はしがき


 第Ⅰ部 ウェストファリア体制の成立、1648~1814年

解  説

1 ウェストファリアへの前奏曲――アウクスブルク宗教平和令(1555年)
2 ウェストファリア条約(1648年)――「主権国家」体系の誕生?
3 ルイ14世の戦争――九年戦争・スペイン継承戦争
4 フリードリヒ大王とマリア・テレジア――オーストリア継承戦争・七年戦争
5 アメリカ独立戦争とヨーロッパ――イギリスの孤立と敗北
6 フランス革命とナポレオン戦争――「長い18世紀」と財政=軍事国家


 第Ⅱ部 「ヨーロッパ協調」の成立と崩壊、1814~1914年

解  説

7 ウィーン会議(1814~15年)――「ヨーロッパ協調」の始まり
8 パーマストン外交――「会議外交」の時代
9 1848年の革命――自由主義と国民主義の爆発
10 クリミア戦争(1853~56年)――「ヨーロッパ協調」の転換点
11 ナポレオン3世の外交――ナポレオンの栄光と国民主義政策のジレンマ
12 ドイツ帝国の成立――ビスマルクの思惑と誤算
13 ビスマルク体制――「急場しのぎ」の産物
14 三国同盟と三国協商――ヨーロッパ国際政治の二極化
15 パクス・ブリタニカ――大英帝国の光と影
16 英独建艦競争――世論を巻き込んだ軍拡とその影響


 第Ⅲ部 二つの世界大戦、1914~45年

解  説

17 第一次世界大戦の勃発――第三次バルカン戦争から世界大戦へ
18 第一次世界大戦の展開(1914~18年)――様々な戦争目的
19 ロシア革命(1917年)――社会主義イデオロギーの国家建設と拡散する影響
20 パリ講和会議(1919年)――「ヴェルサイユ体制」の成立
21 国際連盟の成立(1920年)――国際法と会議外交による戦争予防の試み
22 オスマン帝国の解体――「ヨーロッパ」の成立と「中東」の誕生
23 委任統治と帝国主義――帝国主義の延命と抑制
24 ロカルノ条約(1925年)――西欧における安全保障
25 不戦条約(ケロッグ・ブリアン規約、1928年)――権力政治と不可分の平和
26 ワイマール体制の崩壊――ドイツ最初の民主主義体制の崩壊とナチの台頭
27 スペイン内戦(1936~39年)――第二次世界大戦、冷戦への前哨戦
28 宥和政策――ミュンヘン会談への道
29 第二次世界大戦の始まり(1939~40年)――国際政治史の分岐点
30 大西洋憲章――戦後国際秩序の基礎
31 ヤルタ会談とポツダム会談(1945年)――連合国間の協調と対立
32 サンフランシスコ会議と国連成立(1945年)――戦後平和のための国際機構


 第Ⅳ部 冷戦とヨーロッパ、1945~89年

解  説

33 ヨーロッパ冷戦の起源――英ソ間の地政学的対立
34 マーシャル・プラン(1947年~)――東西分断の起点
35 ブリュッセル条約(1948年)――「第三勢力」の模索
36 欧州審議会成立(1949年)――人権と民主主義を擁護する礎石
37 NATO成立(1949年~)――世界最大の軍事同盟
38 ドイツ分断(1945~49年)――四カ国占領から冷戦による分断へ
39 シューマン・プランの発表(1950年)――ヨーロッパ統合を生んだ画期的構想
40 ドイツ再軍備と冷戦の固定化――東西両陣営の制度的枠組みの完成
41 ジュネーヴ会談(1954年)――分断固定化への道程
42 スエズ戦争とコモンウェルス(1956~57年)――帝国史の転換点
43 メッシーナ会議とEECの成立――EUの制度的出発点
44 ベルリン危機――冷戦が始まり、冷戦が終わった場所
45 ドゴール外交――「フランスの偉大さ」を求めた外交的プラグマティズム
46 イギリスのEEC加盟問題、コモンウェルスの衰退――戦後イギリス対外政策の変容
47 核不拡散体制の成立――核をめぐる米欧関係
48 ヴェトナム戦争とヨーロッパ――外交と内政の隘路
49 プラハの春(1968年)――冷戦と「ソ連・東欧圏」における危機
50 ブラントの東方外交――「西側統合」を土台とした東側との緊張緩和
51 ヘルシンキ会議(1975年)――冷戦の終わりの始まり
52 サミット外交とヨーロッパ(1975年~)――アドホック会合以上、常設事務局未満の新外交
53 INF全廃条約への道――核軍縮とヨーロッパ
54 ドロール委員会とヨーロッパ統合(1980年代)――マーストリヒト条約交渉とEU誕生までの道のり
55 東欧革命(1989年)――体制転換による国際秩序の変動


 第Ⅴ部 冷戦後のヨーロッパ、1990年~

解  説

56 ドイツ統一(1990年)――「ドイツ問題の最終的解決」
57 マーストリヒト条約とEUの誕生――経済統合の前進を可能にした政治環境
58 ソ連解体(1991年)――新同盟の模索と挫折
59 旧ユーゴスラヴィア紛争(1990~2000年)――民族紛争の時代の幕開け
60 EUの拡大と変容――冷戦後ヨーロッパの秩序再編成
61 NATOの拡大と変容――中東欧への秩序拡大とロシアとの反目
62 ユーロの誕生からユーロ危機へ――単一市場の完成と構造的問題
63 ドイツの域外派兵――ポスト冷戦期への安全保障政策の適応
64 アフガニスタンとヨーロッパ――アメリカの戦争を戦うNATOの苦悩
65 イラク戦争とヨーロッパ(2003~11年)――米欧関係の離間の始まり
66 ウクライナ危機――冷戦後ヨーロッパ安全保障の分岐点
67 ブレグジット(2016年~)――未完のプロジェクト
68 欧州の移民・難民問題――国境の共同管理体制の進展と限界
69 ヨーロッパのポピュリズム――戦後レジームの危機
70 中国とヨーロッパ――多極化世界の中での関係深化
 
ヨーロッパ外交史年表
事項索引
人名索引

著者略歴

編:岩間 陽子
2022年4月現在
政策研究大学院大学教授。
編:君塚 直隆
2022年4月現在
関東学院大学国際文化学部教授
編:細谷 雄一
2022年4月現在
慶應義塾大学法学部教授

ISBN:9784623092260
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:284ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS