まえがき
第1章 ロシアは広すぎる
1 ロシア魂――このあまりにも広く、矛盾に満ちたもの
2 多民族帝国――伸縮するロシア人
3 東と西――疎外から超克へ
4 モスクワとサンクト・ペテルブルク――対話する「二つの首都」
5 母なるヴォルガ――ヨーロッパの大河の姿と詩的イメージ
6 シベリア――内なる他者の住む場所
7 コーカサスのとりこ――終わりのない幻
8 宇宙――無限のフロンティア
コラム1 コサック
第2章 聖なるロシア
9 神々と妖怪――信仰の原初的本性
10 ロシア正教会――「ロシア」を越える「ロシア」の教会
11 イコン〔聖像画〕――ロシア的なイコンとは?
12 マースレニツァ――ロシアの「謝酪祭」
13 古儀式派――永遠の反体制派の原型
14 宗教哲学ルネサンス――世界の「全一性」の把握を求めて
15 神秘思想――近代の三人の神秘思想家たち
コラム2 聖愚者
第3章 ロシア史の光と闇
16 タタールのくびき――モンゴルのロシア支配とは何であったのか
17 皇帝ツァーリ――ロシアに特徴的な統治システム
18 農民――植民とミール共同体
19 祖国戦争――ヒトラーにもナポレオンにも負けぬ丈夫な記憶
20 革命――来し方行く末を振り返る鏡
21 強制収容所――自己植民地化の極北
22 女性解放史――フェミニズムか、階級闘争か
23 亡命――越境するロシアの苦難と栄光
コラム3 チェルノブイリ原発事故
第4章 花開くロシア芸術
24 ボリショイ劇場とマリインスキー劇場――灰燼の中から蘇った双頭の不死鳥
25 ダンサーとコレオグラファー――クラシック・バレエの大本山
26 国際チャイコフスキー・コンクール――米国人の勝利か、ロシアの伝統の勝利か
27 ソヴィエト・ロック――DIY精神に満ちた若者たちの軌跡
28 スタニスラフスキーとメイエルホリド――「演出家」の誕生
29 モンタージュ――断片の詩学
30 ソ連の娯楽映画――もう一つのロシア精神形成史
31 ソヴィエト・アニメ――プロパガンダと親密なアジールの間で
32 移動展派――ロシアのイメージを創り出す
33 ロシア・アヴァンギャルド――実現されかけた芸術革命
34 スターリン様式――モスクワの空と地下を制した建築
35 マトリョーシカ――ロシアとソ連のイメージを背負って
コラム4 ロシアのサーカス場
第5章 何よりも大事な文学
36 ロシア語――標準語への道のり
37 詩人――プーシキンからブロツキーまで
38 トルストイかドストエフスキーか――二者択一を超えて
39 余計者――一九世紀ロシアのニート?
40 戯曲――一九二〇―三〇年代の劇中劇の魅力
41 ロシア・フォルマリズム――その理論の歴史(性)
42 社会主義リアリズム――ソ連版スーパーヒーローの誕生
43 ポストモダニズム――後期社会主義の文化理論
44 ユートピアとSF――似ていない双子
45 声と顔――文学と美学と政治におけるビザンツ的インパクト
コラム5 決闘
第6章 日常生活
46 ロシア料理――現代ロシアの食事情
47 ウォッカ――酒以上のもの
48 ダーチャとコムナルカ――セカンドハウスと共同住宅の歴史的変遷
49 ロシア・ファッション――美意識の変遷
50 スポーツ――国家主義と芸術を土台に
51 大都市の渋滞対策――モスクワで進む都市交通イノベーション
コラム6 マロース(厳寒)はつらいよ?
第7章 ロシアと日本の深い関係
52 白系ロシア人――日本の庶民が初めて身近に接した外国人
53 ニコライ堂――東方正教の窓
54 ジャポニスム――四つの視点から
55 ハルキ・ムラカミとドストエフスキー――近代はいまだ超克されていない
コラム7 日本語に入ったロシア語、ロシア語に入った日本語
参考文献
写真・図版出典一覧
人名・作品名索引