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日本の国際協力 中南米編

環境保全と貧困克服を目指して

他編:松下 冽
他編:田巻 松雄
他編:所 康弘

紙版

内容紹介

国際協調主義を掲げた戦後日本は、政府開発援助(ODA)を通して世界の発展途上国とどのように関わってきたのか。各国の経済発展や福祉向上のために、試行錯誤や批判も浴びながら、いかなる援助を行ってきたのか。本書では、中南米諸国へのODAを、歴史的経緯や各種資料とともに俯瞰し、21世紀の今後の日本の国際協力の課題を考えるための基礎的判断材料と論点を提供する。

目次

「日本の国際協力」刊行にあたって
はじめに

序 章 日本とラテンアメリカ・カリブ諸国--SDGs時代の日本の政府開発援助(ODA)(所 康弘)


 第Ⅰ部 メキシコ・中米編
解説――貿易・移民・麻薬(所 康弘)

1 対メキシコ援助――中所得国の課題と挑戦(田島陽一)
2 対グアテマラ援助――和平合意後の民主主義の定着のために(敦賀公子)
3 対エルサルバドル援助――ポスト紛争国からの脱却と伸び悩む経済(笛田千容)
4 対ホンジュラス援助――貧困削減とグローバル・アジェンダの連携に向けて(笛田千容)
5 対ニカラグア援助――政治的緊張と貧困問題を乗り越える(岡部 拓)
6 対コスタリカ援助――被援助国「卒業」を目指す環境立国との歩み(額田有美)
7 対パナマ援助――都市部と農村の間の格差の解消に向けて(尾尻希和)
コラム1 戦後日本の対中南米政策――外交史料の観点(Isami Romero)


 第Ⅱ部 カリブ海地域
解説――日本とカリブの小島嶼諸国との協力関係(松本八重子)

8 対キューバ援助――社会主義体制と経済封鎖の中で(森口 舞)
9 対ジャマイカ援助――構造的脆弱性克服に向けて(辻 輝之)
コラム2 国際援助の暴力性――カリブの小国に学ぶ大きな教訓(辻 輝之)
10 対ハイチ援助――復興から、社会基盤の強化へ(今井達也)
11 対ドミニカ共和国援助――「持続的な経済開発」と「格差是正」を支柱に(三吉美加)
12 対カリコム諸国援助――小島嶼開発途上国の脆弱性克服に向けて(鈴木美香)
コラム3 ODAプロジェクト建設実務から見る仕組み改善(桜井敏浩)


 第Ⅲ部 アンデス諸国
解説――アンデス山脈にまたがる五カ国の歴史、経済、政治(田巻松雄)

13 対ベネズエラ援助――石油大国における「貧しき人民」の革命(林 和宏)
14 対コロンビア援助――和平と平和のために(福海さやか)
15 対エクアドル援助――経済発展と環境保全の間で(福海さやか)
コラム4 支配するのは誰だ?(福海さやか)
16 対ペルー援助――格差是正と社会的包摂に向けて(小波津ホセ)
17 ボリビア援助――六〇年の歴史に見る連続性と変化(宮地隆廣)
コラム5 ODAにおける「創造都市」の可能性(鈴木美和子)


 第Ⅳ部 コーノ・スール諸国
解説――多様な地域統合と自立化の動き(松下 冽)

18 対ブラジル援助――二つの地球益への貢献を目指して(舛方周一郎)
19 対パラグアイ援助――産業の多角化に向けた挑戦(磯田沙織)
20 対ウルグアイ援助――時間はかかるが着実な発展(内田みどり)
21 対アルゼンチン援助――アルゼンチンの危機を乗り越えて(Rodolfo Molina)
22 対チリ援助――被援助国から戦略的パートナーへ(安井 伸)
コラム6 ラテンアメリカの日系人と日本のODA(スエヨシ・アナ)
コラム7 新型コロナウイルスと拡大する格差・不平等(所 康弘)


日本の国際協力年表
事項索引

著者略歴

他編:松下 冽
立命館大学名誉教授
他編:田巻 松雄
2021年12月現在
宇都宮大学国際学部教授
他編:所 康弘
2021年12月現在
明治大学商学部教授

ISBN:9784623091935
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2021年12月
発売日:2021年12月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCL