はしがき
序 章 鉄道交通の歴史的展開と都市圏の形成(後藤範章)
1 鉄道交通と都市
2 交通インパクト・スタディーズ
3 5つの指標で測るMHASRモデル
4 2008年度までの調査
5 2014年度以降の調査
第Ⅰ部 東京大都市圏の通勤新線──大都市「圏内」交通のインパクト
第1章 東京大都市圏の鉄道交通ネットワークの展開(小山雄一郎)
1 国土開発と交通ネットワーク
2 首都圏整備と交通ネットワーク
3 人口のスプロール化と混雑への対応
4 副都心への通勤人口増加とニュータウン開発
5 多核多心型の東京大都市圏と北部・東部圏域への注力
6 核都市間連携の強化とグローバル化への対応
7 まとめと考察
第2章 埼京線と埼玉県戸田市──社会構造の「転換」をもたらした30年(後藤範章)
1 戸田・八潮調査の概要
2 戸田市の地域特性と交通環境
3 中心都市への接近可能性(Accessibility)
4 地域間と職業間の移動性(Mobility)
5 日常生活圏の広域性(Regionality)
6 地域コミュニティの連帯性(Solidarity)
7 地域の居住性(Habitability)
8 まとめと考察
第3章 つくばエクスプレスと埼玉県八潮市──「転換」前の限定的変動(後藤範章)
1 八潮市の地域特性と交通環境
2 中心都市への接近可能性
3 地域間と職業間の移動性
4 日常生活圏の広域性
5 地域コミュニティの連帯性
6 地域の居住性
7 まとめと考察
第4章 つくばエクスプレスと埼玉県三郷市──「転換」の鍵となる来住層の諸相(小山雄一郎)
1 三郷市の地域特性と交通環境
2 調査データと分析方法
3 中心都市への接近可能性
4 地域間と職業間の移動性
5 日常生活圏の広域性
6 地域コミュニティの連帯性
7 地域の居住性
8 まとめと考察
第5章 埼玉高速鉄道と埼玉県(旧)鳩ヶ谷市──短距離路線における「転換」の内実(松橋達矢)
1 (旧)鳩ヶ谷市の地域特性と交通環境
2 調査データと分析方法
3 中心都市への接近可能性と地域・職業間の移動性
4 中心都市への接近可能性と日常生活圏の広域性
5 地域コミュニティの連帯性
6 地域の居住性
7 まとめと考察
第Ⅱ部 地方都市圏の整備新幹線──都市「間」交通のインパクト
第6章 全国・都市間の鉄道交通ネットワークの展開 (松林秀樹)
1 高度成長期における都市間幹線交通と鉄道
2 都市間幹線交通とモータリゼーション
3 都市間幹線交通のふたつの類型──「需要追随型」と「開発投資型」
4 「開発投資型」の鉄道建設
5 交通網建設の「神話」化
6 まとめと考察
第7章 北陸新幹線と長野県長野市 ──開業後20年の「評価」の変化(松林秀樹)
1 オリンピックと新幹線
2 長野市の地域特性と交通環境
3 ふたつの調査の比較からみる地域社会の変化
4 通勤・通学先と居住意向の比較
5 保健・医療と高齢者介護に対する意識の比較
6 生活圏の変化
7 まとめと考察
第8章 九州新幹線と鹿児島県鹿児島市──人・モノの流動拡大で地域活性を目指す交通需要喚起型(田代英美)
1 九州新幹線開業のインパクト
2 九州新幹線調査の分析枠組と調査実施概要
3 鹿児島市の地域特性と交通環境
4 中心都市への接近可能性と地域間・職業間の移動性
5 日常生活圏の広域性
6 地域コミュニティの連帯性
7 地域の居住性
8 まとめと考察
第9章 九州新幹線と福岡県筑後市 ──新幹線駅周辺地域に新たな魅力を見出す地域資源創出型(田代英美)
1 筑後市の地域特性と交通環境
2 中心都市への接近可能性と地域間・職業間の移動性
3 日常生活圏の広域性
4 地域コミュニティの連帯性
5 地域の居住性
6 新幹線駅周辺での新たな魅力づくり
7 まとめと考察
第10章 九州新幹線と鹿児島県薩摩川内市・福岡県久留米市──中心都市との交通利便性に着目する中心都市近接型(田代英美)
1 薩摩川内市の地域特性と交通環境
2 薩摩川内市における接近可能性と移動性
3 薩摩川内市における広域性
4 薩摩川内市における連帯性と居住性
5 久留米市の地域特性と交通環境
6 久留米市における接近可能性と移動性
7 久留米市における広域性
8 久留米市における連帯性と居住性
9 まとめと考察
第Ⅲ部 交通インパクトの社会学──量・質・ビジュアルの混合研究法
第11章 社会地図でみる東京大都市圏──鉄道網が支えた通勤・通学というライフスタイル(浅川達人)
1 社会地図とは
2 東京大都市圏の人口構成
3 東京大都市圏の世帯構成
4 東京大都市圏の産業構造
5 東京大都市圏の社会階級
6 東京大都市圏の生活圏編成
7 まとめと考察
第12章 社会地図でみる地方都市圏──三大都市圏に新幹線で結ばれた地方都市の構造(浅川達人)
1 中部地方の人口構成と世帯構成
2 中部地方の産業構造と社会階級
3 中部地方の生活圏編成
4 九州地方の人口構成と世帯構成
5 九州地方の産業構造と社会階級
6 九州地方の生活圏編成
7 まとめと考察
第13章 写真と住宅地図によるミクロ分析──物理的転換と社会的転換(後藤範章)
1 写真データによる景観の経年変化の跡づけ
2 写真を用いた都市社会調査の展開
3 ケースⅠ:水田と住宅から住居専用地への転換
4 ケースⅡ:工場と水田から住商工混在地への転換
5 ケースⅢ:工業系を主とする非住居地から住商混在地への転換
6 ケースⅣ:水田地帯から住医工等混在地への転換
7 まとめと考察
第14章 通勤新線の交通インパクト──地域社会構造変動のグラデーション(松橋達矢)
1 東京15-20 km圏に通勤新線がもたらしたもの
2 「郊外」の多様化と「代置」プロセスへの着目
3 「空間-機会構造」再編メカニズムと「履歴」への着目
4 中心都市への接近可能性と地域・職業間の移動性
5 中心都市への接近可能性と日常生活圏の広域性
6 地域コミュニティの連帯性の解体と再編
7 地域の居住性
8 まとめと考察
第15章 整備新幹線の交通インパクト──ジレンマの中での政策選択と直面する課題(松林秀樹・田代英美)
1 北陸新幹線の交通インパクト
2 九州新幹線というジレンマ
3 九州新幹線の交通インパクト3類型
4 地域の個性と交通インパクトの多面性
5 まとめと考察
終 章 「交通」を「社会学する」ために( 後藤範章)
1 各章の総括
2 残された課題と本書の意義
3 「交通」の社会学的研究のために
参考文献
あとがき
索 引