OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来
エージェンシー、資質・能力とカリキュラム
著:白井 俊
内容紹介
OECDが世界に影響を与えた「キー・コンピテンシー」から15年余。OECD Education2030プロジェクトは、AIの発達や移民の増加などの社会変化の下で、2030年という近未来に必要となるキー・コンピテンシー、さらには、それを育むためのカリキュラムの方向性を示すものである。とりわけ、「エージェンシー」や「カリキュラム・オーバーロード」などに関する考え方は、今後の我が国の教育を考えていく上で必須の概念となるだろう。OECDと文部科学省両方の立場からプロジェクトにかかわり、その全貌を知る著者による渾身の一冊。
目次
まえがき
出版に寄せて(OECD教育スキル局局長 アンドレアス・シュライヒャー)
序 章 コンピテンシーに関する議論の展開
1 コンピテンシーという概念
2 DeSeCoプロジェクトにおけるキー・コンピテンシー
3 「21世紀型スキル」の時代
4 コンピテンシー重視のカリキュラム改革
5 コンテンツとコンピテンシー
6 Education2030プロジェクトの背景と目的
第1章 2030年の世界
1 よりVUCAとなる時代
2 2030年に向けたメガ・トレンド
3 教育における「ニュー・ノーマル」
第2章 Education2030 プロジェクトの背景と議論の経過
1 DeSeCoプロジェクトの見直し
2 ラーニング・コンパスの策定に至る議論の経過
第3章 エージェンシー
1 エージェンシーとは
2 エージェンシーの概念
3 共同エージェンシー(Co-agency)
第4章 2030年に求められるコンピテンシーの要素
1 2030年に求められる「知識」
2 2030年に求められる「スキル」
3 2030年に求められる「態度及び価値観」
4 3つのドメインの構成要素(コンストラクト)
第5章 2030年に求められるコンピテンシーとその基盤
1 変革をもたらすコンピテンシー
2 発達の基盤
3 AARサイクル
第6章 カリキュラム分析とデザイン原理
1 カリキュラム分析の手法
2 カリキュラム分析の3つの局面
3 カリキュラム・デザインの基本原理
第7章 国際的なカリキュラム課題への対応
1 カリキュラム・オーバーロード
2 カリキュラムの効果的な実施
3 カリキュラムにおけるタイムラグ
終 章 これからの日本の教育を考える
1 エージェンシーの視点からの教育全体の見直し
2 コンピテンシーの視点に基づいたカリキュラム・デザイン
3 カリキュラムの意義の再確認
引用・参考文献
あとがき
人名索引
事項索引
Column
1 コンピテンシーの視点を踏まえた「指導と評価」
2 Education2030プロジェクトと日本の学習指導要領改訂
3 各国の若者の意識とエージェンシー
4 日本の学校教育におけるエージェンシー
5 「重いランドセル問題」から見えてくるエージェンシーの課題
6 教科横断的な知識を育成するためのカリキュラム上の工夫
7 PISA2012における金融リテラシー調査
8 日本における教科横断的な学習のための仕掛け
9 「見方・考え方」とエピステミックな知識
10 「意図されたカリキュラム」と「実施されたカリキュラム」のギャップ
11 日本におけるカリキュラム削減の取り組みとその帰結
ISBN:9784623090440
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:274ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2020年12月
。発売日:2020年12月21日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JND。