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新時代のミュージアム

変わる文化政策と新たな期待

著:河島 伸子
著:小林 真理
著:土屋 正臣

紙版

内容紹介

現在、日本には公立・私立あわせて多数のミュージアムがある。ミュージアムの社会的役割や運営の仕方が問い直されるいま、地域社会との関係や来館者への魅力の訴えといった諸課題を取り上げ、これからのあるべき姿を提示する。

目次

はじめに


 第Ⅰ部 文化政策の変容とミュージアム運営の新たな課題

第1章 ミュージアムを取り巻く環境変化──文化政策の流れ(河島伸子)
 1 文化政策の変容とミュージアム 
 2 行財政改革 
 3 日本経済の変化と地方の課題 
 4 文化的な変化 
  
第2章 ミュージアム政策の不在──美術館の公共的価値を問い直す(小林真理)
 1 ミュージアムは自明のものか 
 2 ミュージアム政策はあるか 
 3 地方自治体の美術館建設と関連法の整備 
 4 国の動向 
  
第3章 「文化の価値」とミュージアム──経済・社会包摂・幸福度との関連から(河島伸子)
 1 「文化の価値」とミュージアム 
 2 文化政策の根拠と文化の価値 
 3 経済的価値、価値の測定 
 4 文化の社会的価値 
 5 文化と幸福度 
 6 文化の価値──手段的文化政策の行きつくところ 
  

 第Ⅱ部 ミュージアム運営と公共

第4章 ミュージアムの管理・運営体制──指定管理者制度と地方独立行政法人の可能性(小林真理)
 1 非営利のミュージアムとその統括団体 
 2 国の博物館の独立行政法人化 
 3 指定管理者制度と公立博物館・美術館の運営 
 4 公立博物館・美術館の地方独立行政法人化 
 5 自治体のミュージアム政策のこれから 
  
第5章 地域に生きるミュージアム──価値提供のあり方(土屋正臣)
 1 地域とともに歩むミュージアムの姿 
 2 郷土博物館の概要と取り巻く社会環境 
 3 市民活動の場としての郷土博物館 
 4 郷土博物館をめぐるギャップの原因 
 5 今後のミュージアムのかたち──誰にとってのミュージアムか 
  
第6章 ミュージアムの古くて新しい課題──地域を記録する(小林真理)
 1 あらためて地域内の文化に目を向ける 
 2 記憶と記録と資料 
 3 地域の美術の記憶を発掘し記録する──あかがねミュージアム 
 4 地域を記録し地域から発信する──リアスアーク美術館 
 5 人の営みと村の記憶を記録する──高知城歴史博物館 


 第Ⅲ部 新時代ミュージアムの実践的課題

第7章 ミュージアム運営と資金調達──自立した財政基盤の確保に向けて(河島伸子)
 1 ミュージアム運営の資金 
 2 入館者への課金──入館料と値付け戦略 
 3 会員制度 
 4 企業からの資金供与 
 5 ショップやレストランの運営 
 6 収蔵品の除去 
  
第8章 ミュージアムとまちづくり──長野県茅野市内のミュージアム群(土屋正臣)
 1 まちを創るミュージアム 
 2 茅野市における社会教育の展開と文化施設の整備 
 3 ミュージアムによる文化財保護から自治体文化政策へ 
 4 ミュージアムを起点とした埋蔵文化財によるまちづくりの実像 
 5 縄文によるまちづくりの課題 
  
第9章 ミュージアムと人々のつながり──来館者の経験を豊かにするための運営(河島伸子)
 1 ミュージアムと人々との関わり 
 2 ミュージアム・マーケティング 
 3 ミュージアム来館体験 
 4 ミュージアムとまちづくり──地域へ、そしてグローバル社会へ 

おわりに/索引

 Column
 1 新たなミュージオロジー(河島伸子)
 2 博物館の理念と使命(河島伸子)
 3 創造経済(河島伸子)
 4 美術館の自由と専門家の役割(小林真理)
 5 子どもたちに開かれたミュージアム:大原美術館の事例(河島伸子)
 6 美術館の自由と防災(小林真理)
 7 イギリスにおけるミュージアム入館料問題(河島伸子)
 8 ミュージアムと都市:世界のトレンド(河島伸子)
 9 来館者の権利憲章(河島伸子)

著者略歴

著:河島 伸子
2020年9月現在
同志社大学経済学部・経済学研究科教授
著:小林 真理
2020年9月現在
東京大学大学院人文社会系研究科教授
著:土屋 正臣
2020年9月現在
城西大学現代政策学部准教授

ISBN:9784623089741
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:274ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GLZ