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児童期における役割取得能力と学校適応の関係

著:本間 優子

紙版

内容紹介

「役割取得能力」とは、他者の立場に立ち、相手の考えや気持ちを理解して、対人行動に生かす力である。本書は、このような「相手の立場に立つ力」をもつ子どもほど、「授業に参加すること」「約束事を守ること」「友達に配慮すること」(行動面での学校適応)を、また「学校を好きであること」(感情面での学校適応)を明らかにした、これまでにない研究成果を紹介する。子どもたちのよりよい学校生活のために役立つ知見がここにある。

目次

まえがき


 第Ⅰ部 「役割取得能力」「学校適応」とは何か

はじめに

第1章 役割取得能力に関する研究の概観
 1 役割取得能力とは
 2 役割取得能力の測定法および発達段階の評定法
 3 役割取得能力に関するトレーニングの効果

第2章 学校適応に関する研究の概観
 1 学校適応とは
 2 行動面の適応と感情面の適応に関する理論の概説


 第Ⅱ部 役割取得能力は学校適応にどう関わるのか

第3章 役割取得能力は児童の学校での行動にどう関わるのか…その1
     研究1:「規則を守ること」「他者に配慮すること」との関係
     
第4章 児童の学校場面での役割取得能力を測定するために
     研究2:新たな役割取得能力測定課題の作成
 1 予備調査
 2 本調査

第5章 役割取得能力は児童の学校での行動にどう関わるのか…その2
     研究3:「授業に参加すること」との関係

第6章 役割取得能力は児童の学校に対する感情にどう関わるのか――「学校を好きであること・嫌いであること」との関係
 1 研究4:児童の学校肯定感・学校回避感に影響を及ぼす要因の検討
 2 研究5:学校肯定感の教師および児童評定の2側面による検討
 3 研究6:児童の役割取得能力と学校肯定感・学校回避感の関係

第7章 役割取得能力・行動・感情はたがいにどう影響しあうのか
     研究7:役割取得能力が学校適応に影響を及ぼすプロセスに関する検討


終 章 役割取得能力を育てることで,児童の学校生活が変わる
 1 得られた知見とその意義
 2 得られた知見の限界と今後の展望

補 章 学校現場での活用に向けて――実践研究の紹介
 1 研究8:クラス単位による道徳授業を利用した役割取得能力トレーニングの実践
 2 研究9:役割取得能力トレーニングの小グループおよび個別トレーニングの実践

引用文献
あとがき
初出一覧
巻末付録 本書で作成した課題・尺度・教材

著者略歴

著:本間 優子
2020年2月現在
新潟青陵大学福祉心理学部臨床心理学科 准教授

ISBN:9784623088737
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:176ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年04月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA