新・MINERVA 福祉ライブラリー 38
支援者支援養育論
子育て支援臨床の再構築
著:藤岡 孝志
内容紹介
子ども虐待、いじめ、不登校等をはじめ、子どもたちを取り巻く状況は厳しい。そして、その子どもたちと関わる親、施設・機関職員、里親の置かれている状況も同様に疲弊し、バーンアウトのリスクを常に抱えているといっても過言ではない。本書では、「支援者が支援されてこそ、子ども支援が成り立つ」という観点のもと、施設職員や里親をはじめ、在宅子育て支援の専門家などを支援する考え方と実際を紹介する。
目次
まえがき
第1章 支援者支援は、子ども支援――支援者支援養育論とは
1 社会的養育臨床における「支援者支援」の観点
2 愛着臨床アプローチと支援者支援学
3 支援者支援の実際
4 支援者支援養育論とは
第2章 支援者支援学の基本的理解
1 支援者支援学構築の意義について
2 支援者支援学を構成する諸概念
第3章 支援者支援に対する他者・組織・自己支援
1 共感疲労から見えてくる支援者の多様性
2 支援者支援における対策
第4章 在宅子育て支援の基本的理解
1 子育てにおける「子どもの人権」意識の醸成
2 子育てにおける「子どもの成長と発達」
3 養育環境における養育者の役割
4 子育て・養育環境を阻害する要因
第5章 在宅子育て支援臨床における支援者支援の実際
1 親のタイプによるアウトリーチ(家庭訪問)の工夫――「通告支援」
2 親による虐待行為の理解
3 事例による理解――ネグレクトによる死に至るケース「焦点化は何に」
4 FR行動につながらない支援について
5 今後の子育て支援、子ども虐待への対処の方向性について――子ども保護モデル、家庭サービス重視モデル、子ども中心モデルの相互補完
第6章 施設臨床における支援者支援の実際
1 支援者支援の実際――施設内研修で伝えることの要点
2 施設臨床における支援者支援プログラムの実際
3 養育者の振り返り――支援者の役立ち方(「養育の相互性」)への理解
第7章 懲戒行動と子ども虐待――支援者支援の必要性
1 懲戒行動を再検討する意味
2 懲戒行動と「子どもの人権」
3 諸外国における体罰禁止法の現況
4 学校や施設における懲戒権と体罰の位置づけ
5 しつけと体罰の違いに関する親の意識
6 FR行動と懲戒行動、体罰、DV、しつけ
第8章 「愛着上の課題」の理解と対処
1 愛着上の課題――養育者への子どもからの侵蝕への理解
2 安全基地の歪み――「チーム養育」の理論的背景
第9章 子どもの攻撃性の理解と対処
1 子どもの攻撃性の理解――支援者支援養育論の適用
2 子どもの攻撃性への対処
第10章 レジデンシャル・マップによる子ども支援・支援者支援
1 レジデンシャル・マップの活用
2 レジデンシャル・マップ――実施にあたっての留意点
第11章 支援者支援養育論の課題と展望
1 支援者支援養育論の要点
2 「支援者-子ども相互性支援システム」に適合したアプローチ――メンタライゼーションの重要性
3 支援者の傷つきと、心的外傷後成長
4 支援者支援における「存在」と「方法」――支援者としての「存在」があってこその「方法」
5 支援者支援コーディネーター及び支援者支援スーパーヴァイザーに関する提言
6 支援者支援学における今後の課題
あとがき
引用文献・参考文献
初出一覧
資料編
人名索引・事項索引
ISBN:9784623088072
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:360ページ
。定価:4200円(本体)
。発行年月日:2020年09月
。発売日:2020年08月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS。