はしがき——生のための戦術と技法
第Ⅰ部 アート・知識生産・文化政策——理論編
第1章 私たちのクリエイティビティ(小泉元宏)
1 「稼ぐ」ためのクリエイティビティ
2 地域社会における生 - 権力
3 期待される「地域」を打ち返す——滞在複合スペース「たみ」の実践
4 「見たいもの」以外のものを見るための共愉
第2章 自然を対象とする知識生産について——地域環境知・基礎情報学・精神病理学から(家中 茂)
1 「レジデンス」というキーワード
2 なぜ「地域主導」か——地域環境知から
3 生命体にとって情報とは——基礎情報学から
4 「とつとつダンス」——身体行為が生み出す世界
5 「生きている」ことの実感——精神病理学から
第3章 アートが地域を創造する(野田邦弘)
1 地域の時代・文化の時代
2 創造都市論の台頭
3 若者の地方移住と創造農村
4 資本主義の終焉と AI 時代
第Ⅱ部 つくるためのクリエイティビティ——事例編1
第4章 地域とともに未来を創る劇場を目指して——鳥取県鹿野町NPO法人鳥の劇場の挑戦(五島朋子)
1 「新しい広場」としての劇場
2 モデルなき劇場の模索
3 劇場は地域が育てる
4 地域とともに生きる劇場
第5章 公立文化会館で育まれる創造性——茨城県小美玉市四季文化館に見る「学び」の姿(竹内 潔)
1 茨城県小美玉市の「住民主役・行政支援の文化センター」
2 創造的な取り組みをする公立文化会館の顕彰
3 みの〜れの取り組みとその展開
4 みの〜れ方式の広がり
5 創造性を育む場としての公立文化会館
第6章 アートで変える関係・仕事・地域——神奈川県の「カプカプ」と岡山県の「ぬか つくるとこ」(川井田祥子)
1 アート活動の原点を問い直す
2 “ザツゼン”の場としての「カプカプ」
3 一人ひとりの個性を発酵させる「ぬか つくるとこ」
4 技芸としてのアートによって well-being の具現化を
第7章 社会の課題を自分ごとにするために——福島県猪苗代町「はじまりの美術館」の例から(長津結一郎)
1 現象としての「障害」
2 社会的課題と関わるアート
3 はじまりの美術館
4 インタビュー結果の分析
5 もうひとつの公共をつくる——美術館のこれからの役割
第Ⅲ部 いきるためのクリエイティビティ——事例編2
第8章 創造の実験場としての被災地——「ポスト震災20年」の神戸における開発主義の変容(稲津秀樹)
1 「ポスト震災20年」神戸からの問い
2 『BE KOBE』の示す状況の変化
3 「ポスト震災」における力の論理とその精神
4 力の論理を問いなおす——多様でありうる「未来」のために
第9章 宇部の野外彫刻とまちづくり——上田芳江と土方定一の役割(筒井宏樹)
1 草分けにして特殊な「宇部の野外彫刻」
2 宇部市における彫刻設置事業の概要と創設経緯
3 上田芳江と市民運動
4 土方定一の役割
5 上田芳江と土方定一のつながり
第10章 大災害の現場を祝祭に変えるダイナミズム——石巻ウェディングの取り組みから(金菱 清)
1 このまま死にたくない
2 石巻ウェディングという問い
3 欠損が生み出す「地域」の巻き込み
4 「場所性」と贈与返礼を伴った結婚式
5 労働の価値転換と大震災という問いかけ
第11章 暮らしのなかで創造される漁師——千葉県鴨川市定置網漁の現場から(村田周祐)
1 現場からの問い
2 事例地の概要
3 緩衝空間としてのテイチ
4 漁師を仕立てあげる
5 暮らしのなかにある漁民の創造性
第12章 アートを活かした大学の地域づくり・人づくり(野田邦弘・竹内 潔)
1 鳥取大学の改革とアートプロジェクトの取り組み
2 アートプロジェクト「ホスピテイル」
3 地域を知り、地域で実践するアートマネジメント講座
4 クリエイティビティと教育
あとがき
索 引
[Column]
「たみ」による人々の創造性を広げるための場づくり(蛇谷りえ)
身体から考えてみる(木野彩子)
イトナミの創造(大下志穂)
物語の始まり(姜 侖秀)
「地域」と「アート」——相互作用のその先に(吉田雄一郎)
動いて資源を発掘し、豊かなコミュニティを(福井恒美)
まちづくり考(本間 公)
朝鮮学校の子どもたちの絵と私たち(三谷 昇)
ディスカバー・ジャパンの神話を超えて、地域映画の美学を構想する(佐々木友輔)
クリエイティブリユースを軸に据えた活動から見えてくること(大月ヒロ子)
考えられなかったけど本当になる話(谷 茂則)
アート・プロジェクト “HOSPITALE”(赤井あずみ)