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史料で読み解く日本史 3

近代日本の外交史料を読む

著:熊本 史雄

紙版

内容紹介

電報や公信などの公文書の内容、そして意思決定過程とは…近代日本の外交史をより深く知るために必携の道案内。

目次

はしがき

序 章 近代日本の外交史料への招待——公文書を“読む”とは


 第Ⅰ部 外交文書の概要を知る ——公文書のなかの外交文書

第1章 「外務省記録」とは
 1 文書と記録と史料
 2 公文書とは
 3 「外務省記録」の位置
 4 分類項目の変遷とファイルの形態
 5 「外務省記録」から外交史料へ

第2章 電報の読み方
 1 電報に記載された情報を読み取る
 2 電報の特徴と様式
 3 来電の読み方
 4 往電の読み方
 5 電報に記載される多義的な情報

第3章 公信の読み方
 1 公信に記載された情報を読み取る
 2 公信の特徴と様式
 3 来信の読み方
 4 往信の読み方
 5 公信に記載される多義的な情報

第4章 原文書と編纂史料とデジタルアーカイブズ
 1 史料の特性を考える
 2 原文書の特性
 3 編纂史料の特性
 4 デジタルアーカイブズの特性
 5 史料の特性に応じた利用のあり方
 6 歴史家の「巣作り」と史料


 第Ⅱ部 記録の構造変化に即して“読む”——記録秩序論

第5章 分類規程の改編と記録秩序の変化
 1 記録秩序に注目する意義
 2 「外務省記録」の形成・蓄積・編纂
 3 政務局時代の記録管理
 4 明治末期から大正期の記録整理事業
 5 「八門式」の導入と地域概念
 6 亜細亜局・欧米局の設置と記録秩序
 7 「新外交」課題への対応と「八門式」
 8 記録秩序の変化とその動因

第6章 記録の移管にみる政策対応の変化
 1 記録の移管に注目する意義
 2 文化事業部の設置
 3 文化事業部関係記録の移管と事務分界
 4 興亜院の設置
 5 政策対応の変化
 6 記録の移管が照射する世界

第7章 原秩序の復元からみる「外務省記録」のなかの拓務省文書
 1 原秩序を復元する意義
 2 「茗荷谷記録」の伝来と構造
 3 拓務省文書の形成過程
 4 拓務省文書の原秩序
 5 意思決定過程と拓殖事業
 6 戦後処理業務にみる記録の“現用的価値”
 7 「外務省記録」における拓務省文書の位置


 第Ⅲ部 文書の処理に即して“読む”——組織制度論・政策論

第8章 文書回付からみる参事官制度
 1 文書回付に注目する意義
 2 参事官会議の「復興」
 3 参事官会議の運用
 4 参事官への文書回付
 5 参事官制度の機能
 6 文書回付と組織の機能

第9章 「写」供与の変化にみる政策対応の変化
 1 「写」供与の変化に注目する意義
 2 新四国借款団設置問題の情報共有
 3 「写」供与の変化
 4 「写」供与のさらなる変化
 5 組織的対応とリーダーシップを浮かび上がらせる

第10章 〈亜細亜局保管文書〉の再現にみる組織の機能
 1 〈亜細亜局保管文書〉を再現する意義
 2 〈亜細亜局保管文書〉の概念
 3 〈亜細亜局保管文書〉の特定
 4 〈亜細亜局保管文書〉の特徴
 5 〈亜細亜局保管文書〉にみる亜細亜局の機能

第11章 〈文化事業部保管文書〉の再現にみる文化外交像
 1 〈文化事業部保管文書〉を再現する意義
 2 〈文化事業部保管文書〉の形成
 3 文書処理過程から浮かび上がる文化外交像
 4 文化事業の非政治性と独立性
 5 〈文化事業部保管文書〉からみる文化外交


終 章 歴史研究への応用  ——「近代史料学」の構築へ向けて
 1 史料学の潮流
 2 歴史研究に取り入れる

あとがき

資料1 「拓務省文書編纂及出納手続」(昭和一一年四月一日、拓務省訓令第四号)第六条掲出別表「文書編纂要項」
資料2 外務省管理局各課から文書課への引継目録
資料3 参事官会議議事一覧
資料4 外務省文書管理規程関連年表

事項索引
人名索引

著者略歴

著:熊本 史雄
2019年12月現在
駒澤大学文学部教授

ISBN:9784623087891
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:416ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年03月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS