はじめに(上垣 豊)
第Ⅰ部 フランスの生成──15世紀まで
第1章 中世フランス王権の歴史的展開(図師宣忠)
ガリアのキリスト教化とクローヴィスの改宗
カロリング朝とキリスト教の展開
カール大帝(シャルルマーニュ)の統治と帝国の分割
カペー朝の始まり
十字軍の時代
カペー王権の伸張
フィリップ美王とアナーニ事件
ヴァロワ朝の開始と百年戦争
シスマとガリカニスム、フランス王国の行方
歴史の扉1 騎士道精神と宮廷風恋愛(図師宣忠)
第2章 中世フランスの社会と文化(図師宣忠)
紛争に満ちた中世社会
キリスト教会による霊的な戦い
「神の平和」と「神の休戦」
神判と雪冤宣誓
大開墾運動と農業革命
農村における一年のサイクル
農村での生活
キリスト教と食文化
中世都市の環境と衛生
学校教育と大学
キリスト教会とフランス社会
歴史の扉2 ゴシック美術──パリ、ノートルダム大聖堂とその周辺(黒岩三恵)
第Ⅱ部 ルネサンスからバロックへ──16〜18世紀
第3章 フランス・ルネサンスの光芒(小山啓子)
「かくも光に満ちあふれた時代」
国際情勢の揺らぎとイタリアへの野望
領域の統合
王権と社会
新たな改革の息吹
宗教改革から宗教戦争へ
王権の理念
歴史の扉3 祝祭と恩赦(小山啓子)
第4章 絶対王政と宮廷社会(嶋中博章)
王家の内紛とリシュリュー
国家理性の追求
文芸と政治権力
リシュリューの「遺産」
フロンドと文芸の政治化
ルイ14世の親政と「絶対王政」の限界
王権による学芸の保護と統制
ヴェルサイユ宮殿と宮廷社会
落日の太陽王
歴史の扉4 宮廷社会と女性(嶋中博章)
第5章 啓蒙とロココの世紀(上垣 豊・竹中幸史)
ルイ15世の治世
ロココ美術
啓蒙思想
サロン・アカデミー・フリーメーソン──啓蒙期の社交生活
教育熱と学校教育
出版文化の隆盛と作家の専門職化
都市と田園、啓蒙期の感性
アンシャン・レジーム末期の王政改革
歴史の扉5 文学と修辞学の伝統(玉田敦子)
第Ⅲ部 革命と国民の時代──19世紀
第6章 フランス革命期の文化、フランス革命という文化(竹中幸史)
四つの革命
立憲王政
共和政と恐怖政治
反動と終焉
革命期の文化について
フランス革命の文化①──近代民主主義
フランス革命の文化②──ナショナリズム
フランス革命の文化③──共和政
歴史の扉6 美術展と美術館(田中 佳)
第7章 革命の遺産と国民文化──ナポレオン時代から第二帝政まで(上垣 豊)
ナポレオンの時代
官僚機構の整備とエリート教育の再構築
ブルボン王政復古
七月王政
ロマン主義と歴史への関心
印刷文化の発展と知識の普及
統治の技術と初期社会主義
二月革命から第二帝政の成立まで
第二帝政の繁栄
第二帝政期の文化
歴史の扉7 宗教と社会(松嶌明男)
歴史の扉8 花の都パリ(東出加奈子)
第8章 ベル・エポックの輝き──第三共和政の成立から第一次世界大戦勃発まで(上垣 豊)
第三共和政の成立
フェリー法と国民統合
芸術の都パリ
中等・高等教育改革
出版文化の黄金時代
世紀末とアヴァンギャルド
都市文化と娯楽
国際化とナショナリズム
「知識人」の誕生とドレフュス事件
大戦前夜
歴史の扉9 食文化(橋本周子)
歴史の扉10 モード(角田奈歩)
歴史の扉11 ブルターニュ(原 聖)
第IV部 二つの大戦と欧州再編のなかで──20世紀
第9章 戦争と平和、前衛と古典の間で──1914〜45年(上垣 豊)
第一次世界大戦とその傷跡
大戦間期の政治と社会
アヴァンギャルドの黄金時代
芸術における秩序への回帰
知的交流の発展──大戦間期の思想と学術文化
ジャーナリズム・ラジオ・植民地文化
人民戦線の実験
「国民革命」とレジスタンス
歴史の扉12 余暇の過ごし方(谷口良生)
歴史の扉13 フランスの映画(須藤健太郎)
歴史の扉14 フランスの音楽文化(田崎直美)
第10章 大衆化、メディア化と変容する文化国家──1945〜80年代(上垣 豊)
第四共和政
ド・ゴール時代のフランス
サルトルとアンガージュマン
文化の民主化と文化省
60年代の思想と文化
文化の大衆化とアメリカ化
68年5月
68年の影響と70年代の変化
ミッテラン政権
歴史の扉15 家族と女性(福島都茂子)
歴史の扉16 メディアとジャーナリズム(中村 督)
終 章 揺れ動くフランスのアイデンティティ──20世紀末〜21世紀初頭(上垣 豊)
グローバリゼーション、EU統合と極右の進出
移民大国フランス
大知識人の死
ポストモダンと「フレンチ・セオリー」
記憶をめぐる戦い
文化政策とフランス人の文化実践
欧州統合と教育改革
マクロン政権と「黄色いベスト運動」
フランス史年表
人名・事項索引