ミネルヴァ日本評伝選
黒岩涙香
断じて利の為には非ざるなり
著:奥 武則
紙版
内容紹介
黒岩涙香(1862年から1920年)新聞記者、小説家。
明治時代、大衆新聞『萬朝報』を創刊しスキャンダリズムや社会悪の糾弾で部数を伸ばした涙香は、「探偵小説の元祖」としても知られ、『巌窟王』『噫無情』などで人気を博した。権力におもねらず、いち早く「大衆」を見据えた「まむしの周六」の全体像を描き出す。
目次
はしがき
序 章 大衆社会に先駆けた人
第一章 「政治の世界」をめざして
1 誇り高き郷士
2 大阪英語学校
3 「政治青年」の誕生まで
第二章 「政治青年」の挫折
1 黒岩大
2 筆 禍
第三章 『萬朝報』以前
1 『日本たいむす』まで
2 論説記者・涙香
3 探偵小説家・涙香の誕生
間奏1 涙香をめぐる女性たち
第四章 『萬朝報』の創刊
1 創刊前後
2 首都発行紙トップに躍り出る
第五章 相馬家毒殺騒動
1 明治版お家騒動?
2 果敢に新聞紙条例を批判
第六章 「まむしの周六」の虚実
1 淫祠蓮門教会
2 蓄妾の実例
3 「新聞の道徳」を説く
間奏2 趣味人・涙香の周辺
第七章 栄光の『萬朝報』
1 日清戦争前後
2 栄光の十年
3 理想団の顛末
第八章 たそがれの『萬朝報』
1 日露戦争前後
2 「報道新聞」化の挫折
3 その死まで
終 章 黒岩涙香とは誰なのか
主要参考文献
あとがき
黒岩涙香年譜
人名・事項索引