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社会と経済

枠組みと原則

著:マーク・グラノヴェター
訳:渡辺 深

紙版

内容紹介

社会と経済はどのように相互に関係しているのか。経済は社会から分離しているのではなく、宗教、科学、政治、道徳などと同じように社会に埋め込まれている。本書は、このカール・ポランニーの埋め込み概念を経済社会学に適用し、行為、規範、信頼、権力、制度の関係を明らかにした記念碑的著作である。社会科学全体を視野に入れた、グラノヴェターの「新しい経済社会学」の集大成である。(原著 Mark Granovetter,Socity and Economy:Framework and Principles,Belknap press,2017,256p.)

目次

日本の読者へ
謝  辞

第1章 経済社会学における説明の問題
 1 本書の研究範囲
 2 「人間性」、帰無仮説、そして分析のレベル――還元主義を越えて
 3 機能主義、文化主義、そして歴史
 4 人間行為の過小および過剰社会化された観念
 5 ソーシャルネットワークと「埋め込み」
 6 個人の動機に関する用語

第2章 経済行為に対する精神的構成物のインパクト――規範、価値、そして道徳経済
 1 序  論
 2 経済的規範とは何か、そしてそれらはなぜ経済行為に影響を与えるのか
 3 規範の起源、内容、そして効率性
 4 どのようにして規範が重要であることを知るのか――「道徳経済」の問題
 5 文化と制度の研究の序文

第3章 経済における信頼
 1 序  論――信頼という概念
 2 信頼の源泉
 3 さらなる信頼の定義とその概念の範囲条件
 4 対人的レベルからマクロレベルへの信頼の集合化
 5 信頼、規範、そして権力

第4章 経済における権力
 1 序  論――経済における様々な権力
 2 権力と社会構造
 3 仲  介
 4 経済的権力に関するマクロレベルの視点

第5章 経済と社会制度
 1 制度と「論理」
 2 中範囲の制度――産業における制度論理
 3 制度、論理、そして地域文化と国の文化
 4 制度の盛衰に関する事例研究――「モジュール式」生産と自動車産業

第6章 個人の行為と社会制度の相互作用
 1 制度的交差と選択的スキーマ
 2 論理の転移および制度の境界を横断する資源の転移
 3 実用主義的行為者のための資源としての多数の制度枠組み
 4 制度的な選択肢が混乱、戦争、そして革命からどのように出現するのかに関する比較歴史的な事例研究
 5 経済行為、ネットワーク、そして制度における信頼、規範、権力の動態


参考文献
訳者解説 グラノヴェターの「新しい経済社会学」
人名・事項索引

著者略歴

著:マーク・グラノヴェター
2019年11月現在 スタンフォード大学社会学教授
訳:渡辺 深
上智大学名誉教授

ISBN:9784623087389
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:328ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年11月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA