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MINERVA 人文・社会科学叢書

〈近居〉の社会学 231

関西都市圏における親と子の居住実態

著:松川 尚子

紙版

内容紹介

本書は、都市における家族の実態を親と子の居住関係、中でも〈近居〉に焦点を絞り考察する。「近居」という言葉は、1980年代の家族社会学の文献にはすでに登場するものの研究の蓄積はほとんどなく、その実態はこれまで明らかになることはなかった。本書では主に、関西の8つの大規模ニュータウンを調査した「関西ニュータウンの比較調査研究」(2004年)での知見をもとに、〈近居〉をめぐる親子の居住実態を検討する。

目次

序 章 〈近居〉を研究対象とする
1 近居への着目
2 学術研究としての近居
3 本書の構成


 第Ⅰ部 同居・近居・別居をめぐって

第1章 なぜ〈近居〉は研究されてこなかったのか
 1 家族社会学の研究史的特徴から
 2 近居が注目されなかったのはなぜか
 3 近居の実態を測定している調査

第2章 近居についての国民の意識——「国民生活に関する世論調査」からみる〈老後の暮らし方〉
 1 〈老後の暮らし方〉を問う質問
 2 〈老後の暮らし方〉に関する意識の変化
 3 家族の地域性——東北日本型と西南日本型

第3章 「関西ニュータウンの比較調査研究」の概要と特徴
 1 調査および調査対象地の概要
 2 データの特徴と分析方針
 3 ニュータウン住民の特徴——同居家族構成から


 第Ⅱ部 〈事実〉と〈意識〉からみる近居の実態

第4章 親の居住地の空間的分布
 1 「関西ニュータウンの比較調査研究」の特徴
 2 各ニュータウン住民の親の居住地

第5章 〈居住地選択行動〉からみる親の居住地
 1 居住地選択行動という視点
 2 [実家との距離]と居住地選択行動

第6章 時代論的観点からみる親の居住地
 1 関西NT調査でみる「親の居住地」の時系列的変化
 2 都市社会学的な視点の重要性

第7章 〈近居研究〉の課題と可能性
 1 「西宮アパート・マンション調査」による検証と今後の課題
 2 家族間サポートと近居研究の可能性

終 章 近居研究の進展にむけて
 1 本書における近居研究
 2 今後の課題と展望

参考文献
資料 「関西ニュータウンの比較調査研究」単純集計表
あとがき
索  引

著者略歴

著:松川 尚子
2018年12月現在
関西学院大学社会学部ほか非常勤講師

ISBN:9784623084616
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JHBK