序(阿部志郎)
第Ⅰ部 岡本榮一 ボランティア人生を語る
1 ボランティアのゆくえを問う(岡本榮一・上野谷加代子)
1 福祉に生きようと志した三つの職場――大阪水上隣保館・大阪キリスト教社会館・大阪ボランティア協会
2 水上隣保館・中村遙先生との出会いと家庭養護寮促進協会のこと
3 大阪キリスト教社会館での活動
4 大阪ボランティア協会へ
5 ボランティア活動の原点――だれでも乗れる地下鉄をつくる運動や交通遺児を励ます会
6 ボランティアの原点――ボランタリズムと自由
7 本質に迫る――自由にトークトーク
2 岡本榮一先生から学んだこと――第Ⅰ部解題に替えて(牧口 明)
はじめに
1 民主主義における手続きの尊重――参加民主主義について
2 ノーマライゼーションと当事者主体の福祉論
3 アクション型ボランティア活動と「公私分離・協働」の原則
4 ボランタリズムの六類型について
おわりに
第Ⅰ部で登場する人名・団体名・事項解説
第Ⅱ部 ボランティア・市民活動論――思想・価値・歴史
第1章 ボランタリズムの源泉――プロテスタンティズムの抵抗思想と市民的公共圏(木原活信)
はじめに
1 岡本榮一のボランタリズムの思想
2 欧米のボランタリズムの源泉としての自由教会
3 ジェーン・アダムズのボランタリズム――セツルメント運動
4 社会福祉基礎構造改革とボランタリズム
おわりに
第2章 岡本榮一理論へのキリスト教社会福祉からのアプローチ(市川一宏)
はじめに
1 岡本理論の原点
2 岡本理論についての一考察
3 岡本先生の実践における応答
第3章 地域福祉の原点としてのセツルメント(岸川洋治)
はじめに
1 セツルメントの思想・実践と現代的意義
2 セツルメントから地域福祉へ――阿部志郎の実践
3 新たな地域福祉の展開に向けて
おわりに
第4章 地域福祉での公私関係の分水嶺――岡本榮一からの示唆(小野達也)
はじめに
1 岡本の公私関係
2 「主体-主体」関係の創出のために
3 地域福祉の実現のために
むすび
第5章 持続可能な共生社会の創造に資するボランティア実践の意義と課題――〈いのちの持続性〉を問う価値枠に着目して(松岡広路)
はじめに
1 持続可能な開発のための教育的アプローチへの期待
2 持続可能な共生社会づくりのパラダイム
3 越境と交流を特性とするボランティア実践
4 いのちの持続性創成実践の条件と課題
おわりに――専門職主義と契約に抗するボランタリズム
第6章 民間社会福祉三代記――小河滋次郎から川村一郎そして岡本榮一へ(小笠原慶彰)
はじめに
1 小河滋次郎の遺産
2 日本生命済生会と川村一郎――遺産の継承
3 大阪ボランティア協会の実験――岡本榮一への再継承
おわりに
第Ⅲ部 参加・学び・実践
第7章 ボランティアの本質とケアリングコミュニティの構築にむけて(原田正樹)
はじめに
1 ボランティアをめぐる「ゆらぎ」と危機
2 木谷宜弘によるボランティアの世界観と「相互実現」
3 ケアリングコミュニティと相互実現的自立
4 福祉教育・ボランティア学習の必要性
第8章 「参加の力」を活かす組織、社会を築くために(早瀬 昇)
はじめに
1 市民の主体的な社会参加活動の意味
2 主体的な参加が進むための条件
3 「参加」のモデルとしての大阪ボランティア協会
第9章 若者のボランティア活動と成長(石田易司)
はじめに
1 M大学のボランティア学習
2 東日本大震災支援ボランティア
3 十日間の活動に参加したYくんの場合
4 体験するボランティア論
5 平野みんな食堂パイオニア
第10章 ワークキャンプ実践に見る福祉教育そしてボランティア学習(名賀 亨)
はじめに
1 美山ワークキャンプの実際
2 美山ワークキャンプ実践にある3つの意味
3 美山ワークキャンプから見る福祉教育そしてボランティア学習
まとめ
第11章 学校・地域・家庭の協働による福祉教育の今日的意義――教育支援協働学への模索(新崎国広)
はじめに
1 教育と福祉に関する問題意識
2 福祉教育の史的展開・目的・現状と課題
3 学校と社会福祉協議会による協働実践
4 「教育支援人材・教育協働人材」とは
おわりに
あとがき(上野谷加代子)