シリーズ出版『渋沢栄一と「フィランソロピー」』(全八巻)刊行にあたって
はしがき
凡 例
序 章 帰一協会とは何か(見城悌治)
1 帰一協会研究の現状
2 帰一協会の活動とその特色
3 本書の構成
第Ⅰ部 近代日本における「宗教」/「道徳」と帰一協会
第1章 宗教は一に帰すか――帰一協会の挑戦とその意義(桐原健真)
1 真理はひとつなのか
2 帰一協会の出発点
3 同床異夢の「帰一」
4 帰一協会の遺したもの
5 宗教間協業の可能性
第2章 宗教統一論と国民道徳――三教会同から帰一協会へ(沖田行司)
1 近代化と徳育問題
2 三教会同とその影響
3 『六合雑誌』と帰一協会
第3章 浮田和民の帰一理想――帰一協会との関わりについて(姜克實)
1 帰一の理想
2 浮田の倫理的帝国主義
3 浮田の宗教帰一論
4 浮田の文明融合論
5 帰一理想の特徴および帰一運動の接点
第4章 漢学から見た帰一協会――服部宇之吉の「儒教倫理」と日露戦後の国民道徳涵養(町泉寿郎)
1 内務省の国民道徳涵養に関する動向
2 文部省の国民道徳涵養に関する動向
3 服部宇之吉の事績と学績
4 服部宇之吉の「儒教倫理」
5 渋沢栄一と服部宇之吉の漢学振興
6 渋沢栄一と服部宇之吉の儒教観
第5章 「精神界」の統一をめざして――渋沢栄一の挑戦(見城悌治)
1 実業界引退後の渋沢栄一の課題
2 渋沢栄一の「統一的宗教」にかかる見解
3 第一次世界大戦期前後における渋沢栄一の「精神界」への働きかけ
4 帰一協会と渋沢栄一の挑戦
コラム1 シドニー・L・ギューリック(是澤博昭)
コラム2 森村市左衛門(木村昌人)
第Ⅱ部 グローバル化のなかの帰一協会
第6章 澤柳政太郎のアジア主義――帰一協会講演録を中心に(酒井一臣)
1 澤柳政太郎と帰一協会
2 澤柳政太郎のアジア主義論
3 澤柳政太郎の国際認識
4 アジア主義・国際主義・国家主義
第7章 成瀬仁蔵の帰一思想――その形成過程および米国への発信(辻直人)
1 成瀬仁蔵と帰一協会に関する新しい視座
2 成瀬の帰一思想形成に関する従来の見解
3 バートンとの出会いの意味
4 米国帰一協会の結成とバートンの役割
5 成瀬にとっての帰一協会
第8章 初期帰一協会の国際交流活動と宗教的自由主義――成瀬仁蔵・姉崎正治の活動と米国ユニテリアンを中心に(岡本佳子)
1 帰一協会設立時における国際的活動の位置づけ
2 「『帰一宗を作るや否や』といふ問題」
3 成瀬仁蔵が発信した「帰一運動」
4 姉崎正治のボストン講演
5 ユニテリアンの国際的自由主義運動と帰一協会
6 初期帰一協会の国際的活動の意義と問題
第9章 「一等国」をめざす有識者グループの努力と限界――デューイから見た大正日本と帰一協会の人々(陶徳民)
1 鶴見和子のデューイ観
2 デューイと帰一協会の人々およびその日本・中国訪問
3 精神文明の向上を図る努力と挫折
4 日米親善と「日支提携」について
5 デューイの自由平等観と文明間対話への展望
第10章 「帰一」というグローバル化と「信仰問題」――姉崎正治を中心に(山口輝臣)
1 グローバル化の異名としての「帰一」
2 「信仰問題」における「帰一」
3 「帰一」の先に
コラム3 帰一協会に賛同した欧米の人士たち(岡本佳子)
コラム4 帰一協会例会で講演した人士たち(見城悌治)
付録 帰一協会関係資料
1 趣旨、決議、宣言など
2 帰一協会例会での講演者一覧
人名索引
事項索引