出版社を探す

ミネルヴァ日本評伝選

天野貞祐

道理を信じ、道理に生きる

著:貝塚 茂樹

紙版

内容紹介

カント研究者として活躍。京大での「筆禍事件」の後、旧制甲南高校、一高の校長を経て文部大臣に就任し、道徳教育問題で大論争を引き起こす。その後、獨協大学を創設するが、大学紛争で辞任。道理を説きながらも「徹底的惨敗者」として時代と格闘し続けた生涯に迫る。

目次

はしがき

第一章 挫折と立志
 1 生い立ちと母
 2 獨逸学協会学校中学校への入学と「挫折」

第二章 内村鑑三とカント哲学
 1 第一高等学校での「修業」時代
 2 内村鑑三からの思想的な影響
 3 京都帝国大学とカント哲学

第三章 京都帝国大学と『道理の感覚』
 1 第七高等学校教授時代
 2 学習院教授とドイツ留学
 3 京都帝国大学教授への就任
 4 『道理の感覚』の刊行と内容
 5 軍事教練批判と「筆禍事件」
 6 恩師・親友との悲しい別れ

第四章 第一高等学校校長と戦後教育構想
 1 戦時下の執筆活動
 2 甲南高等学校の校長就任と挫折
 3 第一高等学校校長への就任
 4 「戦後」認識と「教養」
 5 「戦後」日本と女性論
 6 戦後教育改革と教育勅語
 7 教師論と教員養成構想
 8 学制改革論とその挫折
 9 第一高等学校校長の辞任と天野構想の敗北

第五章 文部大臣と道徳教育・「平和」問題
 1 大日本育英会会長と文教審議会
 2 文部大臣への就任
 3 文部大臣としての教育政策
 4 道徳教育問題と「心境の変化」
 5 天野と「修身科」復活問題
 6 天野と「国民実践要領」制定問題
 7 天野構想と「逆コース」論
 8 天野における「平和」の問題
 9 義務教育費国庫負担法と文部大臣の辞任

第六章 獨協大学と戦後教育批判
 1 獨協中学・高等学校校長への就任
 2 獨協大学の創設
 3 「国民実践要領」と国家論
 4 中央教育審議会と新学制批判
 5 獨協大学の理念と経営
 6 大学紛争と学長辞任

第七章 自由学園とキリスト教
 1 天野貞祐と自由学園
 2 「自由」の意味と天野の講話
 3 自由学園と信仰

第八章 追悼と遺産
 1 信仰と終焉
 2 道理を信じ、道理に生きた教育者

主要参考文献
あとがき
天野貞祐略年譜
人名・事項索引

著者略歴

著:貝塚 茂樹
2017年2月現在武蔵野大学教育学部教授

ISBN:9784623080304
出版社:ミネルヴァ書房
判型:4-6
ページ数:472ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2017年04月
発売日:2017年04月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB