はしがき
現在のイタリア地図/本書関連年表
序 章 教養のイタリア近現代史を学ぶために(土肥秀行)
1 日伊交流450年
2 二度の日本からの使節
3 交流の中断と前史
第1章 リソルジメントの時代(山手昌樹)
1 ナポレオンのイタリア遠征
2 ウィーン体制
3 諸国民の春
4 サルデーニャ王国のイタリア統一
第2章 偉人像と記念碑(河村英和)
1 建国に尽くした愛国者たち
2 銅像になった国王
3 誰が偉人になったか
第3章 鉄 道(山手昌樹)
1 ヴェスヴィオ号出立
2 山腹を穿つこと九哩余の大隧道
3 ファシズムの人民列車
4 鉄道のリソルジメント
第4章 国民国家形成の時代(勝田由美)
1 右派政権の時代
2 左派政権の時代
3 民衆運動の組織化
4 クリスピ時代
5 世紀末の危機
第5章 アルベルト憲章と議院内閣制(高橋利安)
1 イタリア王国憲章の誕生
2 アルベルト憲章の基本的特徴
3 議院内閣制の成立
4 不安定な政権運営
5 日伊憲法交流史
第6章 日伊交流(土肥秀行)
1 新しい国同士として
2 蚕が結ぶ縁と「お雇い外国人」
3 学問の交流
4 戦後の両国でのオリンピックにおいて
5 なおも近い日本とイタリア
第7章 自由主義期の女性運動(勝田由美)
1 アンナ・マリア・モッツォーニ
2 世紀転換期の女性運動
3 女性労働の問題
第8章 ジョリッティ時代からファシズム運動へ(藤岡寛己)
1 ジョリッティ時代の政治・経済と工業労働者の組織化
2 カトリック情勢と南部問題
3 文 化
4 リビア戦争から第一次世界大戦へ
5 赤い二年
6 ファシズム運動
第9章 ナショナリズムの高揚(藤岡寛己)
1 文化的ナショナリズム
2 ナショナリスト協会の誕生と矛盾
3 リビア戦争と第一次世界大戦
4 ファシズムとの統合
第10章 イタリア芸術の半世紀(巖谷睦月)
1 《第四身分》
2 未来派誕生
3 形而上絵画
4 ノヴェチェント
5 体制と芸術
6 空間主義
第11章 繊維工業とイタリアン・モード(日野真紀子)
1 自由主義期の経済政策
2 ファシズムの経済政策
3 レーヨンの登場とアウタルキー繊維
4 化学工業と染料工業の発展
5 流行を創る仕組み
第12章 ファシズムの時代(山手昌樹)
1 すべては国家のうちに
2 信じ、従い、闘え
3 人民のなかへ
4 祖国に金を
5 レジスタンスから生まれた共和国
第13章 グラムシの思想と行動(千野貴裕)
1 南部問題とロシア革命のあいだで
2 統一戦線と南部問題
3 囚われのグラムシ
4 『獄中ノート』のリソルジメント解釈
5 グラムシの遺産
6 読書案内
第14章 ファシズムと建築(奥田耕一郎)
1 モダニズムの建築
2 ファシズムの建築
3 ドーポラヴォーロの建築
第15章 ファシズムとカトリック教会(新谷 崇)
1 ローマ問題から和解へ
2 ファシズム体制とカトリック教会の思惑
3 カトリシズム、ナショナリズム、ファシズムの一体化
第16章 戦後共和制の時代(北川眞也)
1 第一共和制と共和国憲法
2 「熱い秋」と学生運動
3 アウトノミア運動と歴史的妥協
4 新自由主義と第二共和制
5 グローバルな新自由主義への抵抗
6 共有材運動とEUの緊縮命令
第17章 戦後経済と「第三のイタリア」(松本敦則)
1 経済の奇跡
2 「熱い秋」と石油ショック
3 南北問題
4 「第三のイタリア」出現
5 ボローニャ、モーデナのスーパーカー産業
第18章 越境する戦後美術(池野絢子)
1 具象と抽象
2 アルベルト・ブッリの「袋」
3 コンセプチュアル・アートの地平
4 アルテ・ポーヴェラからトランスアヴァングァルディアへ
第19章 バザーリアと精神保健改革(鈴木鉄忠)
1 闘う精神科医バザーリア
2 精神病院という「暴力の施設」
3 自治・自知集会のアッセンブレア
4 トリエステ、改革の再開
5 心病める人たちが権利を取り返す
6 社会が「狂気」を取り戻す
7 改革の現在と日本へのメッセージ
第20章 知の工房としての公共図書館(高橋春菜)
1 民衆図書館の誕生
2 ネットワークの充実と拡大
3 子どもを主役に迎えて
4 カーザ・ディ・カオウラ
第21章 グローバリゼーションと移民(北川眞也)
1 10月3日の「悲劇」
2 「悲劇」を追悼するランペドゥーザ
3 境界スペクタクル
4 「防波堤」としてのリビア
5 「悲劇」の責任、「悲劇」の原因
6 移民の「急襲」、過去の「逆襲」、グローバルな関係性
人名・事項索引
コラム
Ⅰ 副王家の一族(土肥秀行)
Ⅱ 木靴の樹(山手昌樹)
Ⅲ 1900年(土肥秀行)
Ⅳ ライフ・イズ・ビューティフル(高橋春菜)
Ⅴ 輝ける青春(鈴木鉄忠)
Ⅵ 人生、ここにあり!(鈴木鉄忠)
Ⅶ ミルコのひかり(高橋春菜)