序 章 サードセクター研究の行き詰まりをどのように乗り越えるか
1 福祉多元主義の時代のあとのサードセクター
2 本書の構成
第Ⅰ部 理論編――社会政策・サードセクター・社会的企業
第1章 社会政策におけるサードセクターの位置
――サービス給付拡大に注目して
1 社会政策研究においてサードセクターはなぜ重要なのか
2 社会政策研究へのサードセクターの取り込み
3 福祉国家の再編とサードセクター
4 サービス給付拡大とサードセクターの多元性
第2章 サードセクターを捉え直す
――弱い境界区分と制度ロジック・モデル
1 サードセクターをいかに捉えるか
2 サードセクターの強い境界区分
3 サードセクターの弱い境界区分
4 制度ロジック・モデルの有効性
5 弱い境界区分、制度ロジック・モデル、次なる課題
第3章 社会的企業の二重の特定困難性とその対応
――複数の組織形態とハイブリッド性
1 社会的企業とサードセクターの対象特定問題
2 サードセクターの典型例としての社会的企業――対象特定の困難①
3 ハイブリッド組織としての社会的企業再考――対象特定の困難②
4 社会的企業研究は対象特定問題にいかに向かい合うべきか
5 経験的研究における主題の設定
第Ⅱ部 労働統合型社会的企業の成立と展開
第4章 労働統合型社会的企業の制度化
――政策導入と組織フィールドの形成に注目して
1 労働統合型社会的企業の成立をめぐる論点
2 労働統合型社会的企業の「発見」と「発明」
3 日本国内の社会的企業の受容と政策導入
4 労働統合型社会的企業の組織フィールドの構造化
5 労働統合型社会的企業の(未完の)制度化
第5章 労働統合型社会的企業の二つの類型
――制度ロジックの観点から
1 労働統合型社会的企業の多様性
2 労働統合型社会的企業の類型の研究と課題
3 法制度間比較――生活困窮者自立支援法と社会的事業所促進法の社会的企業像
4 事例間比較――ホームレス資料センター調査を中心に
5 制度ロジックと二つの類型
6 組織形態と制度ロジックの多元性
第6章 支援型社会的企業の支援の論理
――専門職のロジックと市場のロジック
1 支援型社会的企業による福祉の生産
2 中間的就労についての評価と研究課題
3 方法――分析の焦点と使用するデータ
4 「生活クラブ風の村」における福祉の生産
5 中間的就労の意義と限界
6 均衡点のズレと制度ロジック
7 支援型社会的企業の「福祉の生産」――専門職と市場の論理の狭間で
第7章 連帯型社会的企業における就労環境
――民主主義のロジックと市場のロジック
1 就労の場としての連帯型社会的企業
2 社会的事業所の成立過程
3 枠組みと方法
4 分析結果――連帯型社会的企業の就労環境の長所と短所
5 連帯型社会的企業の対等性が果たす役割と課題
6 連帯型社会的企業のなかの就労の場――対等性と市場の論理の両立
終 章 ポスト福祉多元主義のサードセクター研究
1 本書の知見とその意義
2 サードセクターと社会政策をめぐる研究の方向性
参考文献
あとがき
索 引