はじめに
序 章 これからの時代に「戦略的思考法」は強力な武器になる
1 航海の道筋を教えてくれる「羅針盤」を手に入れよう
2 常識を疑い、考え抜くクセをつける
3 良循環の環をいかに生み出すか
第1章 市場をつかみ、狙いを定める
ケース1 ストライプインターナショナルの事例——ヨーイドンで走り出せ!「白地の探究」企業
1 ビジネス・モデルの「白地」を探す
2 店員の立居振る舞いまで「設計」する
3 リソースは後からついてくる
4 良きマーケターは人の気持ちがわかる
ケース2 すかいらーくの事例——ファミリーレストランの雄の没落と再生
1 高度成長期の「人々の夢」を捉えた時代
2 過剰供給が引き起こしたカニバリゼーション
3 カニバリゼーションはなぜ放置されたのか
4 店に来る顧客は毎日少しずつ変化する
第2章 成熟した社会で自社の強みを見直す
ケース3 TOTOの事例——リモデル事業でV字回復を果たす
1 需要が頭打ちになった製品をどう売るか
2 リモデル事業の数字を見つけ出せ!
3 調査で得た2つの「気づき」
4 新興国も「ゆっくり」攻める
第3章 個人事業主から「経営者」に脱皮する
ケース4 幸楽苑の事例——サービス業から製造直販業への大転換
1 店が増えるほど苦しくなる「スパン・オブ・コントロールの罠」
2 これはサービス業でなく、製造直販業である
3 成長の限界から脱出する
ケース5 ハイデイ日高の事例——お客さんを追いかけてシステムができた
1 30の職業を経て見つけた天職
2 「屋台と弁当」のニーズを追いかける
3 「1杯390円」で何を狙ったか
4 失敗したときにこそ「考える力」が問われる
第4章 先手を取り、進化を続ける
ケース6 パーク24の事例——駐車場ビジネスのパイオニアと2代目の功績
1 「三方よし」を実現した先代の緻密なビジネス・モデル
2 駐車場が増えれば増えるほど現場が見えなくなる
3 IT化で稼働率を上げ、さらにほかのビジネスを乗せる
4 イメージにとらわれて、ビジネスチャンスに気づけない人々
第5章 最初の意図を超えて広がるイノベーション
ケース7 コマツの事例——IoT の先駆けモデルをつくった「気づき」と「決断」
1 イノベーションは〝小さな気づき〟から生まれる
2 システムを広める段階での卓越した決断
3 サプライ・チェーン全体で好循環が始まる
4 ブレイクスルーだけではイノベーションは起きない
第6章 業界の中でニッチャーとして生きる
ケース8 富士重工業の事例——北米市場への集中で良循環を回す
1 地味で小粒なメーカーが躍進企業に化けた
2 北米市場のためにクルマをつくる
3 言葉の力で社員を一つに結びつける
4 「ぶつからないクルマ?」で国内が息を吹き返す
5 ニッチャーの成功要因
第7章 経営資源を何に投じるか
ケース9 富士フイルムの事例——製品の背後にあるコア・コンピタンスを洗い出せ!
1 戦略構想の基盤としての経営資源
2 経営資源の横展開による多角化成長
3 「本業が消える」危機にいかに経営資源を使ったか
4 経営資源についての2つの視点
第8章 業界の構造変化を見通し、勝ち残る
ケース10 ヤマトホールディングスの事例——ネット通販時代に「オンリーワン」でいられるか
1 ネット通販の市場はどこまで広がるのか
2 需要の変化
3 各プレーヤーのポジションを整理する
4 「アマゾンか、グーグルか」でヤマトグループの将来も変わる
5 成長市場に直面しつつ利益をとれないのはなぜか
第9 章 イノベーションをめぐる諸問題
ケース11 ソニーの事例ほか―—コツコツと努力し続けることが「正解」ではない
1 イノベーションによる競争を考えるためのフレームワーク
2 突然、登場したミラーレス機という「下らない技術」
3 まじめな技術進化がイノベーションを遠ざける
4 途上国で生まれる独自のイノベーション
おわりに──経営戦略論を通じて社会科学を学ぶ
さらに学びたい人のための図書案内
参考文献
索 引