Minerva日本史ライブラリー 29
松田正久と政党政治の発展
原敬・星亨との連携と競合
著:西山 由理花
内容紹介
自由党や政友会の最高幹部として活躍した政党政治家・松田正久。自由民権運動から生まれた政党が、政権を担うまでに成長する過程において、「党人派の代表」として草創期の日本の政党政治確立のために、星亨や原敬らとともに奔走したその実像とはいかなるものか。本書では、松田に関わった政治家・官僚などの一次史料や新聞・雑誌での松田の発言や論説などの新史料をもとに、その人物像を初めて描く。
目次
はじめに
序 章 近代日本における政党政治の発展と政治家の責任
第Ⅰ部 松田正久の目指した政党政治のあり方
第一章 国会開設に向けて
1 政治への関心
2 初代長崎県会議長としての議会指導
3 恩師西周の影響と教育への関心
第二章 立憲自由党結成と政党の地域性克服
1 政党政治家としての出発
2 星亨との連携
3 政党地方支部の誕生
4 松田正久の自由党改革の模索と低迷
第三章 政党内閣の実現と挫折
1 自由党・進歩党の合同と第一次大隈内閣の成立
2 初めての政党内閣と蔵相就任
3 地租増徴に対する大きな転換
第四章 松田正久と原敬による政友会指導の形成
1 初期政友会内部の党人派・伊藤系官僚対立
2 党人派の代表へ
3 原敬と松田正久による党指導体制の確立
第五章 桂園体制期の松田正久
1 政友会領袖としての第一次西園寺内閣
2 原敬が党を掌握してもなお必要な松田正久の役割
第六章 「松田内閣」という幻
1 憲政擁護運動のはじまりと松田正久
2 病に倒れて
第Ⅱ部 松田正久と選挙区佐賀県
第七章 地域性の克服と時代状況に合致した政策の提示
1 政党の中央地方関係の変革
2 地租をめぐる政策転換と選挙区
第八章 選挙区に与えるものと選挙区から得るもの
1 政友会の創立と佐賀県
2 松田の内政・外交論と選挙区・佐賀県
結 章 政治家の責任と外交に対する姿勢
注
参考文献
おわりに
松田正久年譜
事項索引
人名索引