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コミュニティをエンパワメントするには何が必要か

行政との権力・公共性の共有

著:マリリン・テイラー
監訳:牧里 毎治
監訳:金川 幸司

紙版

内容紹介

本書は、Taylor,M.(2011)Public Policy in the Community 2nd edition, Palagrave Macmillan.の翻訳であり、政府とコミュニティの関係を軸に現代の日本でも生じているコミュニティをめぐる政策の問題を論じたものである。また、「 2nd edition」には、初版刊行以降、盛んに議論されるようになった「コミュニティ・レジリエンス」「ローカリズム」等の概念や「参加型予算」等の政策についての考察が盛り込まれている点も特徴の一つである。
コミュニティが国家や行政と公民パートナーシップを築き、公共性や権力・権限を共有できる政策の実施が、社会的包摂が可能なコミュニティ構築のためのエンパワメントとなる事を提唱した一冊。

目次

監訳者まえがき
日本語版への序文
第2版の序文
謝  辞
 

第1章 コミュニティ——その探求に向けて

第2章 変わりゆく「コミュニティ」の運命
 1 コミュニティの喪失
 2 コミュニティの再生
 3 コミュニティは期待に応えられるのか

第3章 コミュニティにおける政策と実践
 1 コミュニティの失敗
 2 システムの失敗
 3 構造的な失敗と経済的な失敗
 4 政府の失敗
 5 地域を限定した政策(area-based policy)
 6 考  察

第4章 コミュニティをめぐる理念
 1 コミュニティ
 2 コミュニタリアニズム
 3 ソーシャル・キャピタル
 4 市民社会
 5 互恵性
 6 ネットワーク
 7 信頼とインフォーマル性
 8 考  察

第5章 コミュニティの矛盾
 1 コミュニティとコミュニタリアニズム
 2 ソーシャル・キャピタル
 3 市民社会
 4 互恵性とインフォーマル性、ネットワーク
 5 考  察

第6章 コミュニティは貧困問題を解決できるのか
 1 貧困と社会的排除
 2 貧困はコミュニティで解決できるのか
 3 考  察

第7章 権力とエンパワメント
 1 権力の理解の仕方
 2 エンパワメントの可能性
 3 エンパワメントへの道筋
 4 考  察

第8章 政策過程の権力
 1 誰が政策を決定するのか
 2 政策はどのようにして作られるのか
 3 ガバメントからガバナンスへ
 4 対話型の国家
 5 エンパワメントの枠組み
 6 考  察

第9章 エンパワメントを経験する
 1 みせかけ、それとも機会の窓
 2 ゲームのルール
 3 そもそも我々はこのゲームに参加し続けるべきだろうか
 4 考  察

第10章 コミュニティの再生
 1 コミュニティの力の解放
 2 コミュニティにおける設計
 3 考  察

第11章 権力の再生
 1 生産者や共同生産者としてのコミュニティ
 2 政策立案者としてのコミュニティ
 3 考  察

第12章 コミュニティの課題
 1 結束と多様性の調和
 2 リーダーシップ・参加・代表の調和
 3 ネットワークの拡大
 4 内部か外部か
 5 考  察

第13章 制度面の課題
 1 人を変える
 2 文化を変える
 3 構造を変える
 4 国家の再構築はあるのか
 5 考  察

第14章 コミュニティ・エンパワメント——虚構か現実か
 1 グローバル世界
 2 コミュニティは期待に応えられるか
 3 悲観主義者・楽観主義者・現実主義者
 4 現実主義を機能させる

参考文献
監訳者あとがき
索  引

著者略歴

監訳:牧里 毎治
2017年5月現在 関西学院大学名誉教授・関東学院大学客員教授
監訳:金川 幸司
2017年5月現在静岡県立大学経営情報学部教授。

ISBN:9784623075454
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:428ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2017年05月
発売日:2017年05月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB