序 章 病者への眼差し
1 病者への眼差しとは
2 日本における精神病と精神病院
第1章 東京帝国大学医科大学時代
1 東京帝国大学医科大学
2 呉秀三先生
3 斎藤紀一と青山脳病院
第2章 巣鴨病院時代
1 茂吉と巣鴨病院
2 茂吉と呉秀三
第3章 長崎医学専門学校教授時代
1 長崎への経緯
2 石田昇と長崎医学専門学校
3 茂吉と長崎医学専門学校
4 スペイン風邪と喀血
第4章 ウィーン大学神経学研究所への留学—欧州留学時代⑴
1 ウィーン大学神経学研究所
2 オーベルシュタイネル先生
3 麻痺性癡呆者の脳カルテ
第5章 ドイツ精神病学研究所での生活——欧州留学時代⑵
1 シュピールマイエル教授
2 クレペリンとの出会い
3 ミュンヘンでの生活
4 欧州遊学と帰国の途
第6章 青山脳病院の再建
1 焼失後の青山脳病院
2 青山脳病院の再建へ
3 青山脳病院院長へ
第7章 青山脳病院院長就任と紀一の死——昭和二年から昭和三年まで
1 院長就任
2 患者の死亡数
3 患者の逃走
4 警察からの呼び出し
5 茂吉と芥川龍之介
6 紀一の死
第8章 青山脳病院院長としての仕事と病院の現状——昭和3年から昭和8年まで
1 院長の仕事
2 病者の自殺
3 茂吉の腎臓病と諸問題
4 青山脳病院の現状
5 精神的負傷
第9章 青山脳病院院長の診察風景——昭和9年から昭和19年まで
1 茂吉の診察風景
2 病者からの暴行
3 インシュリン・ショック療法
4 戦時中の青山脳病院
第10章 戦時下の青山脳病院院長時代——昭和20年の青山脳病院
1 茂吉の疎開準備
2 青山脳病院の廃院
3 茂吉の疎開
4 東京大空襲
第11章 病 気
1 茂吉の腸チフス
2 茂吉のスペイン風邪と喀血
3 茂吉の腎臓病
第12章 女性観——永井ふさ子との恋愛事件
1 ダンスホール事件
2 ふさ子との邂逅
3 ふさ子への耽溺
4 ふさ子との別離
第13章 作品に見る病者への眼差し
1 東京府巣鴨病院の病者
2 長崎医学専門学校の病者
3 青山脳病院の病者
第14章 老いの諸相
1 老いの徴候
2 老いへの傾斜
3 老いの現実——大石田にて
4 茂吉の晩年
終 章 病者に寄り添う
参考文献
初出一覧
あとがき
人名索引/短歌索引