はしがき
総 論 福祉レジーム論の視角(新川敏光)
1 福祉レジームvs.福祉国家
2 福祉トライアングルvs.福祉ダイヤモンド
3 福祉国家の類型
4 就労義務強化
第1章 日韓台の家族主義レジームの多様性(安周永/林成蔚/新川敏光)
1 家族主義福祉レジーム
2 日本の福祉レジーム
3 韓国の福祉レジーム
4 台湾の福祉レジーム
5 日韓台の分岐
第2章 後発的福祉国家スペインの失われた改革(横田正顕)
1 福祉レジーム論のなかのスペイン
2 スペイン福祉国家における不均等発展
3 スペインの失われた改革
第3章 イタリアの家族主義的福祉レジームの揺らぎ(伊藤 武)
1 イタリアの福祉レジームの基本的特徴
2 社会支出から見るイタリアの福祉
3 戦後福祉レジームの制度設計
4 現代の福祉改革
5 イタリア福祉政治の隘路と改革可能性
第4章 保守主義レジームから変化するドイツ(近藤正基)
1 ドイツ統一までの福祉レジーム
2 コール政権後半期の福祉レジームと政治
3 シュレーダー政権期の福祉レジームと政治
4 第一〜二次メルケル政権期の福祉レジームと政治
5 ドイツ福祉レジームの組み直し
第5章 ポスト保守主義レジーム・オランダの可能性(水島治郎)
1 福祉国家の形成と特徴
2 保守主義レジームの「危機」とオランダ
3 雇用・福祉改革
4 ポスト保守主義レジームの可能性
第6章 保守主義レジーム・フランスの状況(唐渡晃弘)
1 フランス社会保障の特徴
2 脱商品化を拡大し維持する試み
3 脱家族化の進展?
4 部分的修正を経ながらも継続する保守主義
第7章 自由主義レジーム・アメリカの医療保険・年金・公的扶助(西山隆行)
1 福祉レジーム論とアメリカ
2 医療保険
3 年 金
4 公的扶助
5 アメリカの福祉レジーム
第8章 賃金稼得者モデルから転換するオーストラリア(加藤雅俊)
1 共通性のなかの多様性
2 賃金稼得者モデルの特徴
3 経済社会環境の変化への多様な対応
4 新旧の社会的リスクへの多様な対応
第9章 イギリス「自由主義」レジームの変容と持続(島田幸典)
1 それははたして「自由主義」的なのか?
2 福祉国家の成立までの過程
3 ベヴァリッジ体制の限界
4 サッチャー・ブレア政権における「自由主義」の鈍化
5 歴史的文脈のなかの現代福祉国家
第10章 社会民主主義福祉レジーム・スウェーデンの所得保障と社会サービス(渡辺博明)
1 普遍主義・ノーマライゼーション・就労原則
2 所得保障における「脱商品化」
3 社会サービスにおける「脱家族化」
4 近年の環境変化と制度改革
5 現状の評価と今後の展望
第11章 保守主義+インフォーマルセクターのアルゼンチン福祉レジーム(宇佐見耕一)
1 早熟な福祉国家アルゼンチン
2 輸入代替工業化と1990年代新自由主義改革
3 2001年経済危機と社会保障制度再改革
4 非拠出制手当の拡大
5 アルゼンチンの福祉レジームの変容とその要因
第12章 岐路に立つ「新しいブラジル」の福祉レジーム(近田亮平)
1 1980年代以降の変化
2 ブラジルの社会福祉
3 ブラジルの福祉レジームと今後
第13章 分断化された社会におけるメキシコ福祉レジーム(畑 惠子)
1 メキシコの福祉レジームをめぐる議論
2 制度的革命党(PRI)体制と福祉レジーム
3 フォーマル部門における福祉の自由化改革
4 農村・インフォーマル部門の公的社会扶助政策
5 メキシコの福祉政策と福祉レジーム
第14章 ポスト社会主義国ポーランドの福祉レジーム(仙石 学)
1 ポーランドの福祉レジームの位置づけ
2 ポーランドの福祉関連制度の概要
3 ポーランドの福祉レジームの形成要因
第15章 体制転換後のエストニアの福祉レジーム(小森宏美)
1 社会主義体制からポスト近代社会へ
2 混合型福祉レジーム
3 女性と福祉
4 経済危機と社会的包摂の限界
5 ソ連時代の遺制と制度的混合性
第16章 変容する旧社会主義国ハンガリーの福祉レジーム(柳原剛司)
1 社会主義の遺産からの出発
2 市場経済化と福祉レジーム
3 レジームの基本的な特徴
4 近年の変容とその要因
第17章 チェコにおけるポスト社会主義のハイブリッド福祉レジーム(中田瑞穂)
1 福祉レジーム発展の連続と断絶
2 社会主義型福祉の遺産
3 体制転換後の社会保障制度改革
4 ハイブリッドレジームの矛盾
文献案内/索引