ディスコースの心理学
質的研究の新たな可能性のために
編著:鈴木 聡志
編著:大橋 靖史
編著:能智 正博
内容紹介
使いこなすための基礎を理論と実践で学ぶ
目次
はじめに
第Ⅰ部 理論編
第1章 質的研究におけるナラティヴとディスコース(能智正博)
1 質的研究の広がり
2 質的研究におけるナラティヴ
3 ディスコース分析への接近
4 ナラティヴのディスコース分析へ
5 質的研究のスタンダード化を超えて
第2章 ディスコース心理学とディスコースの心理学(大橋靖史)
1 ディスコース心理学
2 ディスコース心理学,その後の展開
3 ディスコース分析における研究グループの意義
4 ディスコースの心理学へ
第3章 経験を研究するディスコース分析(鈴木聡志)
1 ディスコース分析における主観性や経験の扱い方
2 ディスコース心理学における経験の扱い方
3 言語ゲームと経験の形成
4 主観的経験へのアプローチに向けて
第Ⅱ部 実践編
第4章 色覚異常を自覚させられる経験(鈴木聡志)
1 先天色覚異常の社会史
2 データと分析の方針
3 「赤いカラス」における二つの場面の分析
4 他のデータによる分析
5 色覚異常を自覚させられる経験の独自性,地理・歴史的限定性
第5章 知的障害児を持つ母親は子どもの将来をどのように語るのか(飯野雄大)
1 知的障害児とその家族を取り巻くディスコース
2 希望と不安の語り方
3 「障害児の親」と「支援者」という関係の中で表れてくるディスコース
4 語り方からみる自立概念の再構築
第6章 自死遺族のナラティヴ(古井〈橋本〉望)
――対話的関係を共同生成するプロセス
1 ナラティヴを通して現れる自己
2 自死遺族のナラティヴ
3 〔語り―聴く〕関係への視点
4 重層化する対話的関係と変容するナラティヴ
第7章 原爆体験者の対照的な語り(松尾純子)
――生存者ディスコースと被害者ディスコース
1 “原爆の語り”というディスコース
2 Sさん――聴き手に向かい合う語り方
3 Fさん――聴き手に背を向ける語り方
4 原爆の語りとディスコース
第8章 対話プロセスとしての自己の語り直し(能智正博・沖潮〈原田〉満里子)
1 自己と語り直し
2 外部からの働きかけによるポジションの広がり
3 外部からの枠づけとそれに対する反応
4 メタ・ポジションとしての「外部」
第9章 ポジショニング理論によるクライアントの語りの理解(綾城初穂)
――「受け入れられる」ことは何を意味するのか
1 ディスコース分析によってクライアントの語りをどう理解するか
2 ポジショニング理論によるクライアントの語りの検討
3 ポジショニング理論によるカウンセリング研究の意義
第10章 認知症高齢者との会話における繰り返し(田中元基)
――「症状」を「会話上の実践」として捉え直す
1 症状への視点と実践への視点
2 質問はどのように繰り返されるのか
3 話はどのように繰り返されるか
4 「症状」を「会話上の実践」として捉えることの意義
第11章 子どもの「非行」と向き合う親たちの語りにおける笑いの機能(北村篤司)
1 社会的な相互行為としての笑い
2 笑いが生じる語りの文脈とプロセス
3 笑いが生じることによる語りや参加者への影響
4 笑いの生成プロセスと機能
5 本研究の意義と課題
第12章 想起行為の軌跡を分析する(大橋靖史)
――超常体験報告のディスコース
1 超常体験の心理学
2 超常体験報告のディスコース
3 体験報告の不安定性への注目
4 想起の軌跡を明らかにするディスコース研究の可能性
人名索引/事項索引
ISBN:9784623073306
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:252ページ
。定価:2500円(本体)
。発行年月日:2015年04月
。発売日:2015年04月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JM。