序 章 現代日本における都市の計量社会学の意義
1 都市の世紀の到来と繰り返される都市のイメージ
2 都市社会学の問題意識と現代日本における意義
3 都市の計量社会学的アプローチと本書の位置づけ
4 本書の構成
第Ⅰ部 都市メカニズム解明のための理論と方法
第1章 ワース理論とそれに対する批判
――社会解体論と非生態学的立場
1 都市社会学前史
――テンニース・デュルケム・ジンメルの議論
2 ワースらシカゴ学派による社会解体論の議論
3 シカゴ学派による都市理論の特徴と人間生態学への注目
4 ガンズらによる非生態学的立場の議論
5 非生態学的立場による議論の特徴とその意図せざる結果
第2章 フィッシャー・ウェルマンによる第三の潮流と本書の検討課題
――下位文化理論とコミュニティ解放論
1 フィッシャー下位文化理論の議論
2 ウェルマンによるコミュニティ解放論の議論
3 第三の潮流の特徴とその後の展開
4 都市社会学における三つの潮流と主張の差異
5 日本における都市理論の検討と本書の検討課題
第3章 都市理論の諸前提――都市のとらえ方と分析視角
1 主要な都市理論に共通する四つの前提
2 前提⑴:都市-農村を連続体(都市度)としてとらえる
3 前提⑵:都市度の異なる居住地を一つの国のなかで比較する
4 前提⑶:都市度を人口の集中の観点からとらえる
5 前提⑷:個人属性の効果を考慮したうえで都市度の効果を検討する
6 その他の前提
7 まとめ
第4章 都市の計量社会学の方法とその発展
――理論と方法の接合に注目して
1 都市理論を再現するための方法とその発展
2 都市理論を表現可能なデータを集める⑴
――ネットワーク調査技法の発展と都市社会学における理論的意義
3 都市理論を表現可能なデータを集める⑵
――標本抽出法の発展と都市社会学における理論的意義
4 都市理論を再現するための統計解析手法
――マルチレベル分析の普及と都市社会学における理論的意義
5 まとめ
第Ⅱ部 現代日本の都市メカニズム
第5章 現代日本におけるコミュニティ問題の検討
――コミュニティ喪失論・存続論・変容論の対比から
1 現代日本においてコミュニティ問題を問う意味
2 コミュニティ問題に対する三つの回答と日本における先行研究
3 データとモデル・変数
4 コミュニティ問題に関するマルチレベル分析
5 まとめと議論
第6章 都市は同類結合を促進するか
――同類結合に対する都市効果の検討
1 日本における下位文化理論の適用可能性
2 下位文化理論と同類結合
3 本章での検討課題
4 データ・変数・分析方法
5 分 析
6 まとめと議論
第7章 現代日本と都市疎外理論
――都市は人々のパーソナリティに悪影響をもたらすのか
1 古典的議論としての都市疎外理論と現代日本
2 都市疎外理論と都市的疎外の諸形態
3 データとモデル・変数
4 都市的疎外の三つの形態に関するマルチレベル分析
5 まとめと議論
第8章 現代日本における非通念性の規定構造
――多様性への指向と変化への指向に注目して
1 非通念性に対する複数の視点
2 非通念性と二つの下位概念
3 非通念性の規定構造に関する二つの仮説
4 データ・変数・モデル
5 分 析
6 まとめと議論――非通念性の複合的生成過程
終 章 現代日本の都市的生活様式とその生成メカニズム
1 本書のアプローチと分析結果のまとめ
2 本書の検討課題に対する結論
3 本書における新たな知見
4 今後の展開可能性
――比較分析に向けた理論枠組みと方法の整備
5 おわりに
参考文献
あとがき
人名索引/事項索引