序 章 社会保障制度とは何か(田多英範)
1 本書の問題意識
2 本書の分析視角
3 共同研究の開始
4 分析対象国と対象時期
5 本書の構成
第Ⅰ部 三層構造型社会保障制度体系
第1章 イギリス――揺りかごから墓場までの社会保障制度(齋藤有里)
1 社会保障制度創設の検討
2 前史――恩恵的救貧制度の展開と国民保険の創設
3 両大戦間期の制度展開
4 社会保障制度の体系的整備
5 イギリス社会保障制度の創設
第2章 ドイツ――社会国家における社会保障制度の確立(森 周子)
1 ドイツ社会保障制度の創設過程の考察
2 ドイツ帝国期(第一次世界大戦前まで)――救貧扶助制度と社会保険制度の成立
3 ドイツ帝国期(第一次世界大戦中)~ワイマール期――社会保障制度の萌芽
4 ナチス期――「三つの特性」の後退
5 第二次世界大戦後――社会保障制度の創設
6 ドイツ社会保障制度の構造
第Ⅱ部 雇用政策補完型社会保障制度
第3章 フランス――漸進的な工業化を背景とした社会保障制度の創設(松本由美)
1 研究の目的
2 前史(19世紀~第一次世界大戦前)――公的救済と社会的支援
3 社会保険制度の創設(第一次世界大戦~1930年代)
4 社会保障制度の創設(第二次世界大戦~1960年代)
5 フランスの社会保障制度形成過程の特質
第4章 イタリア――公的扶助を欠いた社会保障制度(宮崎理枝)
1 イタリアの社会保障制度の背景と特徴
2 慈善・救済事業への公的性格の付与と社会保険制度の創設
3 社会保障制度体系化への動き――ファシズム時代
4 第二次世界大戦後の社会保障制度の構築プロセス
5 イタリアの社会保障制度形成過程にみる特徴…
第5章 スウェーデン――社民政権下で完成された社会保障制度(山本麻由美)
1 本章の視点
2 先行研究における本章の位置づけ
3 第一次世界大戦前
4 第一次世界大戦から第二次世界大戦の終結まで
5 第二次世界大戦後に固まった社会保障制度の原型
6 社会保障制度の体系としての特徴
第6章 アメリカ――ニューディールとしての社会保障制度(佐々木貴雄)
1 本章の課題
2 大恐慌前の福祉制度
3 ニューディールの背景
4 前期ニューディール
5 後期ニューディール
6 社会保障法の成立
7 アメリカの社会保障制度の特徴
第Ⅲ部 二層構造型社会保障制度体系
第7章 日 本――戦後における社会保障制度の成立とその特徴(金 成垣)
1 社会保障制度を捉える視点
2 社会保障制度の成立過程
3 成立期における日本の社会保障制度の特徴
第8章 韓 国――IMF経済危機と社会保障制度の創設(松江暁子)
1 社会保障制度をいかに捉えるか
2 救貧制度と社会保険の導入・展開
3 経済危機と社会保障制度の創設
4 社会保障制度の創設過程に見る韓国的特徴
第9章 中 国――「単位」保障から社会保障制度へ(朱 珉)
1 中国社会保障制度研究の難しさ
2 計画経済期の「単位」保障
3 改革開放期の社会保障制度の構築
4 ポスト改革期の社会保障制度体系の創設
5 形成過程にみる中国社会保障制度の特徴
[補論] 中国の障害者福祉の構築にむけて(真殿仁美)
――建国からこれまでの障害者事業への取組みを振りかえって
終 章 社会保障制度創設その後(田多英範)
1 社会保障制度創設後の展開をどう捉えるか
2 福祉国家資本主義と経済成長
3 21世紀型社会問題の登場
4 迫られる社会保障制度の構造的改革
5 後発福祉国家資本主義
あとがき
人名索引
事項索引