事故防止のための社会安全学
防災と被害軽減に繋げる分析と提言
編:関西大学社会安全学部
内容紹介
研究蓄積を踏まえた実証分析と提言
目次
巻頭言
はしがき
第Ⅰ部 事故の分析
第1章 現代日本社会と「事故」の意味(辛島恵美子)
1 言葉「事故」から考える意図
2 現代日本社会と事故の特徴
3 「事故」の意味と課題
第2章 事故と責任に関する考察(西村 弘・佐藤健宗)
1 「事故と責任」の何が問題か
2 「事故の責任」の概念
3 因果責任論の意味
4 事故捜査と事故調査:各々の目的と問題点
5 現代社会における事故調査の意義
6 事故の法的責任
第3章 群集の事故と安全(川口寿裕)
1 群衆事故
2 群衆のふるまい
3 群衆流動シミュレーション
第4章 リスク解析のための数理モデル(山川栄樹)
1 様々な数理モデルとその利用局面
2 一般線形モデルに基づく回帰分析と統計的検定
3 微分方程式モデル
4 確立過程モデル
第5章 労働災害と事故防止(金子信也)
1 過重な労働負荷要因に基づく事故の未然防止
2 使用者の安全配慮義務
3 安全労働衛生法の動向
4 労働災害と事故の防止に向けて
第Ⅱ部 事故の現状
第6章 原発事故と技術者の社会的責任(小澤 守)
1 原子力開発と事故
2 蒸気動力発達と第三者検査体制・技術者協会の役割
3 技術発展の課題
4 戦後わが国の電力事情と原子力開発への道
5 わが国における原発技術の進展
6 人材育成
7 原子力関連研究
8 原発事故と技術者の社会的責任
第7章 ヒューマンエラーと事故(中村隆宏)
1 ヒューマンエラーをどのように捉えるか
2 ヒューマンエラーへの対応
3 ヒューマンエラーへのアプローチ
4 これからの方向性
第8章 情報漏洩の事例から考えるセキュリティ対策(河野和宏)
1 情報機器やインターネットの普及と問題点
2 個人がインターネットを使うリスクとその対策
3 企業からの情報漏洩の事例とその対策
4 情報漏洩の統計情報から考えるセキュリティ対策
5 セキュリティ教育から見る今後の課題
6 情報漏洩事件の判例から考える企業・組織の責任
7 情報漏洩がない社会に向けて
第9章 食品事件・事故と食品安全システム(高鳥毛敏雄)
1 食品安全システムの確立に向けて
2 食品安全・衛生システムの歩み
3 わが国の食品安全対策の基盤の確立
4 食中毒及び食品事故・事件とその対策
5 食品安全システムの確立:フードチェーン・アプローチとHACCP
6 食品安全行政とレギュラトリーサイエンス
第10章 事故の社会心理(土田昭司)
1 事故に備える社会心理
2 事故遭遇時の社会心理
3 パニック神話とエリート・パニック
4 クライシス・コミュニケーション
第Ⅲ部 事故の防止
第11章 事故調査制度(安部誠治)
——運輸事故調査を中心に
1 事故調査の意義
2 事故調査の対象と意義
3 世界の運輸事故調査制度
4 米国のNTSB
5 日本の運輸事故調査制度
第12章 火災と消防システム(永田尚三)
1 火災の現状
2 江戸から戦前期の火災と消防の沿革
3 戦後の火災と消防
4 予防消火の課題
5 根本的問題解決のための広域再編、予防への人員確保
第13章 もう一つの安全神話の崩壊(河田惠昭・林 能成)
——地震時の新幹線の最悪の被災シナリオ
1 「想定外」を防ぐ最悪の被災シナリオ
2 新幹線の危機管理の問題点
3 これまでの地震時の新幹線の状況
4 新幹線で懸念される地震災害の形態
5 新幹線の最悪の被災シナリオ:地震動による走行車両の脱線可能性
6 地震時の新幹線事故の減災対策
7 さらなる新幹線安全運行に向けて
第14章 事故と損害保険(亀井克之)
1 損害保険の意義
2 事故と保険
3 現代社会における損害保険の課題
4 損害保険教育
第15章 英国の事故防止教育に学ぶ(城下英行)
1 なぜ事故防止教育なのか
2 事故と自然災害
3 英国の事故防止教育
4 事故防止教育の充実に向けて
あとがき
索 引
ISBN:9784623065684
。出版社:ミネルヴァ書房
。判型:A5
。ページ数:328ページ
。定価:3800円(本体)
。発行年月日:2013年03月
。発売日:2013年03月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ。