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数学の問題の発見的解き方 2 新装版

原案:G・ポリア
訳:柴垣和三雄
訳:金山靖夫

紙版

内容紹介

 〈問題解答者がある問題Aを扱っているとき、この問題は別の問題Bと関係があるということが、頭に浮ぶ。問題Bの研究はあるいは彼をゴールへ、彼の最初の問題Aの解答へ、より近づけることができるかも知れない。しかし、他方において、問題Bの研究は依然として役に立たず、時間と労力の無駄に終わるということもあり得るだろう。それで問題解答者は決定に直面する。しばらくもとの問題Aの研究をやめて、新しい問題Bの研究に切り替えるべきか?〉
 問題解決の手段方法についての研究=発見学。2巻では、「アイディアの到来」「頭の働き」「頭の訓練法」「発見の規則?」など、問題を解くうえでの、より一般的な方法を分析する。

目次


第I巻の序から
読者へのヒント

第二部(続き)
第7章 解答の進行の幾何学的表示
7.1. 隠喩
7.2. 問題は何か?
7.3. それは一案だ!
7.4. 考えを展開すること
7.5. それを実行すること
7.6. スローモーション映画
7.7. 内容予告
7.8. 計画とプログラム
7.9 問題内の問題
7.10. アイディアの到来
7.11. 頭の働き
7.12. 頭の訓練法
第7章の例題と注釈,7.1 - 7.5
〔7.1. 別の接近.7.3. 証明の探究.7.4. 基本ダイアグラム.7.5. もっと多くの問題を.〕

第8章 計画とプログラム
8.1. 立案のパターン
8.2. もっと一般的なパターン
8.3. 一つのプログラム
8.4. 幾つかの計画からの選択
8.5. 計画とプログラム
8.6. パターンと計画
第8章の例題と注釈,8.1 - 8.8
〔8.1. 逆向きか前向きか? 逆行的か前進的か? 解析か綜合か? 8.2. 賢者は最後のところで始める.8.4. 三つの計画からの選択.8.5. 二つの計画からの選択.8.6. 一案だ,まったく.8.8. 身をまかせるな.〕

第9章 問題内の問題
9.1. 補助問題:目的のための手段
9.2. 同値な問題:双方的変形
9.3. 同値な問題の鎖
9.4. 野心の大きい,あるいは小さい補助問題:一方的変形
9.5. いくらか遠い補助問題
9.6. 実質的援助,方法論的援助,激励的影響力,練習
第9章の例題と注釈,9.1 - 9.15
〔9.1. 補助問題の当てになる筋? 9.2. Respice finem. 9.3. 箇条の除去,または付加.9.4. 条件を広く,または狭くする.9.5. より強い,あるいはより弱い定理を検討する.9.11. 反例の探索.9.12. 特殊化と一般化.9.13. 類比.9.14. で,もし失敗したら? 9.15. もっと多くの問題を.〕

第10章 アイディアの到来
10.1. 光を見る
10.2. 例
10.3. 有用なアイディアの本質
10.4. アイディアは偶然による
第10章の例題と注釈,10.1 - 10.2
〔10.1. アイディアの自然発生,一つの引用と注釈.10.2. 二つの実験.〕

第11章 頭の働き
11.1. われわれの考え方
11.2. 問題を持つ
11.3. 関連
11.4. 近接
11.5. 先見
11.6. 探究の範囲
11.7. 決定
11.8. 動員と編成
11.9. 認識と想起
11.10. 補足とまとめ直し
11.11. 隔離と結合
11.12. ダイアグラム
11.13. 部分は全体を示唆する
第11章の例題と注釈,11.1 - 11.11
〔11.1. 貴方の経験,貴方の判断.11.2. 動員.11.3. 先見.11.4. 部分が多いほど,全体を強く示唆する.11.5. 認識する.11.6. まとめ直す.11.7. 内側から進む,外側から進む.11.8. 発見的な鼠の迷路.11.9. 前進.11.10. お前も.11.11. 二十日鼠と人間.〕

第12章 頭の訓練法
12.1. どう考えるべきか
12.2. 目標に焦点をあわせる
12.3. 見込みを評価する
12.4. 接近が入用
12.5. より有望な面が入用
12.6. 関連知識が入用
12.7. 状位の再評価が入用
12.8. 質問の仕方
第12章の例題と注釈,12.1 - 12.11
〔12.1. 問題を云い換えよ.12.2. それを数学的言語で表わせ.12.3. 十分に仕入れて,よく編成されている知識の貯え.12.4. この種の未知数はどんなデータによって決定できるか? 12.5. この終結はどんな仮説から導き出せるか? 12.6. 類比:三角形と四面体.12.10. 注意と行為.12.11. 生産的思考,想像的思考.〕

第13章 発見の規則?
13.1. 規則また規則
13.2. 合理性
13.3. 節約,しかし予定できる限度はない
13.4. 固執,しかし変化も
13.5. 優先の規則
13.6. 問題に内在する材料
13.7. 利用できる知識
13.8. 補助問題
13.9. 総括
第13章の例題と注釈,13.1 - 13.3
〔13.1. 天才と達人と初心者.13.2. 桃の実と計画について.13.3. 仕事のスタイル.〕

第14章 学習,教授,および教授の学習について
14.1. 教授は科学ではない
14.2. 教授の目的
14.3. 教授は技術である
14.4. 学習の三原理
14.5. 教授の三原理
14.6. 例
14.7. 教授の学習
14.8. 教師の態度
第14章の例題と注釈,14.1 - 14.27
(第一部,14.1 - 14.4;第二部,14.5 - 14.27)〔14.5. なぜ問題解決を? 14.6. 問題解決と理論形成.14.7. 問題解決と一般教養.14.8. 図形の言語.14.9. 有理数と無理数.14.10. 厳密な推論.14.11. 地図は完全であり得るか? 14.12. われわれは何を教えるべきか? 14.13. 発生論的原理.14.14. 口さきだけの忠誠.14.15. レベルの混乱.14.16. イザドーラ・ダンカン.14.17. 知識の水準.14.18. 反復と対照.14.19. 内部援助,外部援助.14.21. どの位むずかしいか? 14.22. むずかしさと教育的価値.14.23. 問題の幾つかのタイプ.14.26. レポート.14.27. 数学の会合における談話について,ツェルメロの規則.14.28. 結びの口上.〕

第15章 推測と科学的方法
15.1. 教室程度の探究問題
15.2. 例
15.3. 討議
15.4. もう一例
15.5. 帰納的論証の進行の図式表示
15.6. 歴史的一例
15.7. 科学的方法:推測せよ そして テストせよ
15.8. 「探究問題」の望ましい幾つかの特徴
15.9. 結び
第15章の例題と注釈,15.1 - 15.55
(第一部,15.1 - 15.20;第二部,15.21 - 15.40;第三部,15.41 - 15.55). 〔15.23. 非十分理由の原理.15.24. ビュリダーンのろば.15.39. 物理学における非十分理由の原理,あるいは,自然は予言可能であるはずだ.15.40. 一つの球面上にn個の点を選ぶこと.15.41. もっと多くの問題を.15.44. 循環小数.15.48. 台形数.15.55. 事実と推測.〕

解答
参考文献
訳者あとがき
第II巻の索引
綜合索引

著者略歴

原案:G・ポリア
(George Polya)
1887-1985。ハンガリーの首都ブダペストに生れる。1912年プダベスト大学より Ph. D.取得。1920-40年チューリッヒ工科大学教授、1940年ブラウン大学客員教授、1942-53年スタンフォード大学教授、1953年同大学名誉教授。1947年米国に帰化。1963年 Award for distinguished service to Mathematics 受賞。1974年 Collected Papers I, II 刊行。邦訳書に『いかにして問題をとくか』(1954、丸善)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
訳:柴垣和三雄
(しばがき・わさお)
1906年金沢市に生れる。1929年東京大学理学部物理学科卒業。数学専攻。理学博土。九州大学名誉教授。前・東京理科大学理学部教授。2001年歿。著書『線形代数に直結した幾何学序説』(1972、みすず書房)『関数解析と数値解析入門』(1973、森北出版)ほか。訳書 ポリア『帰納と類比』『発見的推論』(1959、丸善)、ルべーグ『量の測度』(1976、みすず書房)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
訳:金山靖夫
(かなやま・やすお)
1923年熊本市に生れる。1946年九州大学工学部電気工学科卒業。1974年福岡県立修猷館高等学校在任中に死去。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ISBN:9784622096443
出版社:みすず書房
判型:A5
ページ数:264ページ
定価:4800円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PB