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数学の問題の発見的解き方 1 新装版

原案:G・ポリア
訳:柴垣和三雄
訳:金山靖夫

紙版

内容紹介

 〈問題を解くということは、困難から抜け出す道、障害を回避する方法を発見して、すぐには達成できなかった目的を達成することを意味する。問題を解くことは知性に特有な成功であり、知性は人間のもつ特別なたまものである。問題を解くことは最も特徴的な人間活動と見られるのである。本書の目的は、この活動を会得し、それを指導する方法を提案すること、そして、とどのつまりは、読者の問題解決力を増進させることにある。〉
 問題解決の手段方法についての研究=発見学。本書は、数学の問題を素材に、その発見学を具体的に説明する。1巻は、「幾何学の作図」「物理学からの一例」「パスカルの三角形」などを例に、問題を解くためのパターンの習熟を目的とする。豊富な例題・解答付き。

目次

日本版へのメッセージ

読者へのヒント

第一部 パターン
第1章 二つの軌跡のパターン
1.1. 幾何学の作図
1.2. 例からパターンへ
1.3. 例
1.4. 問題は解けたものとせよ
1.5. 相似図形のパターン
1.6. 例
1.7. 補助図形のパターン
第1章の例題と注釈,1.1 - 1.51
〔1.7. 記法.1.15. 三つの灯台.1.42. 欠陥.1.44. 振り返えってみれば.1.45. 三つの聴音哨.1.46. 二つの軌跡のパターンについて.1.47. 三つの軌跡のパターン.1.49. 幾何学の作図題について.1.50. もっと多くの問題を.1.51. 集合.〕

第2章 デカルトのパターン
2.1. デカルトと普遍的方法の考え
2.2. 小さな問題
2.3. 方程式を立てること
2.4. 教室の例
2.5. 幾何学からの例
2.6. 物理学からの一例
2.7. パズルからの一例
2.8. 困らせる例
第2章の例題と注釈,2.1 - 2.78
(第一部,2.1 - 2.16;第二部,2.17 - 2.78)〔2.10. ヘロンの定理の類比.2.11. ピタゴラスの定理の別な類比.2.12. ピタゴラスの定理のもう一つ別な類比.2.13. ヘロンの定理の別な類比.2.17. 雑題.2.28. エジプトの問題.2.32. 平面幾何学.2.33. 幾何学の問題において方程式を立てるときのニュートン.2.46. 立体幾何学.2.54. 不等式.2.55. 球面計.2.56. 図式時間表.2.64. 未知数と同数の方程式.2.65. 未知数より多数の方程式.2.67. 未知数より小数の方程式.2.72. デカルトの規則.2.73. 問題を裸にせよ.2.74. 関連知識.動員と編成.2.75. 独立と連立.2.76. 一意的な解,予想.2.77. なぜ文章題を? 2.78. もっと多くの問題を.〕

第3章 あともどり
3.1. 小さな発見の物語
3.2. 意外なところから
3.3. これは応用しないではおれない
3.4. あともどり
3.5. アブラカダブラ
3.6. パスカルの三角形
3.7. 数学的帰納法
3.8. 先き先きの発見
3.8. 観察し,一般化し,証明し,また証明せよ
第3章の例題と注釈,3.1 - 3.92
(第一部,3.1 - 3.21;第二部,3.22 - 3.30;第三部,3.31 - 3.55;第四部,3.56 - 3.92)〔3.2. 一般の場合に同値な特別な場合.3.21. 数学的帰納法の二つの形式.3.44. 三項係数.3.51. ライプニッツの調和三角形.3.56. ベキ級数.3.61. 分数および負数を指数とする二項定理.3.65. 範囲を拡げること.3.70. 未定係数法.3.75. ベキ級数の反転.3.81. 微分方程式.3.91. 数πについて.3.92. もっと多くの問題を.〕

第4章 重ね合わせ
4.1. 補間
4.2. 特殊な状位
4.3. 一般の場合を解くために特別な場合を結合すること
4.4. パターン
第4章の例題と注釈,4.1 - 4.36
(第一部,4.1 - 4.16;第二部,4.17 - 4.36)〔4.11. 一次結合あるいは重ね合わせ.4.12. 定数係数の線型斉次微分方程式.4.14. 定数係数の線型斉次差分方程式.4.15. フィボナッチの数.4.16. 運動の重ね合わせ.4.17. 接近の多様性.4.18. 未知数は何か? 4.20. ここに当面の問題に関連していて,前に解いたことのある問題がある.4.22. もっと多くの知識.4.24. 角台の公式.4.30. 鎖の中に一つでも弱い環があれば全体が弱くなる.4.32. シンプソンの規則.4.36. スコープを広くすること.〕

第二部 一般的方法に向かって
第5章 問題
5.1. 問題とは何か?
5.2. 問題の分類
5.3. 決定問題
5.4. 証明問題
5.5. 未知数の成分,条件の箇条
5.6. 手続きを求む
第5章の例題と注釈,5.15 - 5.19
〔5.8. 証明か決定か?. 5.9. もっと多くの問題を.5.10. 解答の手続きは操作の無限系列から成ることがある.5.11. 円を正方形に直すこと.5.12. 順序と結果.5.13. 遺憾なあいまいさ.5.14. データと未知数,仮説と終結.5.15. データを数えること.〕

第6章 スコープを拡げること
6.1. デカルトのパターンのより広いスコープ
6.2. 二つの軌跡のパターンのより広いスコープ
6.3. どの箇条から始めるか?
6.4. あともどり式のより広いスコープ
6.5. 未知のものを次第に征服する
第6章の例題と注釈,6.16 - 6.25
〔6.1. 多くの箇条を持つ条件.6.9. 条件の一部だけを残せ.6.10. アリアドネの糸.6.18. もっと多くの問題を.6.19. 中間のゴール.6.20. 図的表示.6.21. 数学以外の問題の幾つかの型.6.25. もっと細かい分類.〕

解答
追記 教師ならびに教師の教師へのヒント
参考文献
訳者あとがき
索引

著者略歴

原案:G・ポリア
(George Polya)
1887-1985。ハンガリーの首都ブダペストに生れる。1912年プダベスト大学より Ph. D.取得。1920-40年チューリッヒ工科大学教授、1940年ブラウン大学客員教授、1942-53年スタンフォード大学教授、1953年同大学名誉教授。1947年米国に帰化。1963年 Award for distinguished service to Mathematics 受賞。1974年 Collected Papers I, II 刊行。邦訳書に『いかにして問題をとくか』(1954、丸善)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
訳:柴垣和三雄
(しばがき・わさお)
1906年金沢市に生れる。1929年東京大学理学部物理学科卒業。数学専攻。理学博土。九州大学名誉教授。前・東京理科大学理学部教授。2001年歿。著書『線形代数に直結した幾何学序説』(1972、みすず書房)『関数解析と数値解析入門』(1973、森北出版)ほか。訳書 ポリア『帰納と類比』『発見的推論』(1959、丸善)、ルべーグ『量の測度』(1976、みすず書房)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
訳:金山靖夫
(かなやま・やすお)
1923年熊本市に生れる。1946年九州大学工学部電気工学科卒業。1974年福岡県立修猷館高等学校在任中に死去。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ISBN:9784622096436
出版社:みすず書房
判型:A5
ページ数:266ページ
定価:4800円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PB