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暴落 下

金融危機は世界をどう変えたのか

著:アダム・トゥーズ
訳:江口 泰子
訳:月沢 李歌子

紙版

内容紹介

2008年の出来事を理解するための必読書が登場した…
複雑な金融概念をシンプルに説明しながら、
全世界にわたる危機前史と、
その破壊的影響を壮大に描いている。
――『ガーディアン』紙

金融危機についての本は数多いが、
世界的イベントとして捉えた著作はほとんどない…
本書は途方も無い規模をそなえた経済史であり…
読者は多くの驚きを得るだろう。
――『ウォールストリート・ジャーナル』紙

2019年ライオネル・ゲルバー賞受賞
『ニューヨーク・タイムズ』紙「2018年に注目を集めた100冊」
『エコノミスト』誌ベストブック2018

「…不均質で複合的に発達したグローバルな資本主義が、あらゆる不安定の原因なのか。ポピュリスト政治を動かす激情は、エリート層による政策決定にどんな影響をおよぼすのか。政治家はその激情をどうやって利用するのか。国内の、そして国際的な秩序へと至る道はあるのか。恒久的な安定や平和は実現できるのか。その答えを教えてくれるのは法か。それとも恐怖の均衡と、専門家や将軍の判断に頼るほかないのか。
これらがこの1世紀の間、私たちが1914年について発してきた問いだ。2008年とその余波について、私たちが同じような問いを発するのは偶然ではない。それらは、近代というものの大きな危機につきまとう問いである」(最終章より)

下巻ではギリシャ経済危機から、金融危機の欧州全域への波及、緊縮財政政策、欧州中央銀行による量的緩和の開始、ウクライナ危機、ブレグジット国民投票、トランプ大統領の誕生から2017年までをあつかう。

目次

第III部 ユーロ圏
14 2010年、ギリシャ──先送りとごまかし
15 債務の時代
16 Gゼロの世界
17 破滅のループ
18 必要なことは何でも

第IV部 余波
19 アメリカン・ゴシック
20 テーパー・タントラム
21 くたばれ、EU──ウクライナ危機
22 #Thisisacoup──これはクーデターだ
23 恐怖プロジェクト
24 トランプ
25 来たるべき世界のかたち

人名索引/原注

著者略歴

著:アダム・トゥーズ
コロンビア大学歴史学教授。ロンドン生まれ。イングランドとドイツのハイデルベルクで育つ。1989年夏にケンブリッジ大学キングス・カレッジで経済学の学士号取得。ベルリンで冷戦の崩壊を目撃し、同地の大学院で研究を始める。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号取得。1996-2009年にはケンブリッジ大学で教鞭をとる(現代史准教授、およびジーザス・カレッジのガーニー・ハート・フェロー)。その後、イェール大学のバートン・M・ビッグス教授。同大学ではポール・ケネディの後任として国際安全保障研究所所長も務める。2015年から現職。
訳:江口 泰子
翻訳家。バラバシ『ザ・フォーミュラ』(光文社、2019)パトリカラコス『140字の戦争』(早川書房、2019)ウォーターズ『ストレングス・スイッチ』(光文社、2018)トゥーズ『暴落』全2巻(共訳、みすず書房、2020)ほか。
訳:月沢 李歌子
翻訳家。マクリスタル他『LEADERS』(日経BP、2019)バーネット他『やせる経済学』(ダイヤモンド社、2019)ピリウーチ『迷いを断つためのストア哲学』(早川書房、2019)トゥーズ『暴落』全2巻(共訳、みすず書房、2020)ほか。

ISBN:9784622088752
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:448ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF