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宗教社会学論選(新装版)

著:マックス・ヴェーバー
訳:大塚 久雄
訳:生松 敬三

紙版

内容紹介

〈近代ヨーロッパの文化世界に生を享けた者が普遍史的な諸問題を取扱おうとするばあい、彼は必然的に、そしてそれは当をえたことでもあるが、次のような問題の立て方をするであろう。いったい、どのような諸事情の連鎖が存在したために、他ならぬ西洋という地盤において、またそこにおいてのみ、普遍的な意義と妥当性をもつような発展傾向をとる文化的諸現象――少なくともわれわれはそう考えたがるのだが――が姿を現わすことになったのか、と。〉
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」「古代ユダヤ教」などを含む、マックス・ヴェーバーの著書『宗教社会学論集』(全3巻)の第1巻から、その問題意識を明らかにした3論文を精選し、「儒教とピュウリタニズム」(「儒教と道教」の第8章)を付す。宗教意識との関係から資本主義の起源と歴史的限界を見通すための、広くて深い方法論。

目次

1 宗教社会学論集 序言
2 世界宗教の経済倫理 序論
3 世界宗教の経済倫理 中間考察
  宗教的現世拒否の段階と方向に関する理論

付録 儒教とピュウリタニズム

訳者後記

著者略歴

著:マックス・ヴェーバー
1864-1920。ドイツ、エルフルトに生れる。ハイデルベルク、ベルリン、ゲッティンゲンの各大学で法律学を専攻し、歴史、経済学、哲学に対する造詣をも深める。1892年ベルリン大学でローマ法、ドイツ法、商法の教授資格を得、同年同大学講師、93年同助教授、94年フライブルク大学経済学教授、97年ハイデルベルク大学経済学教授、1903年病気のため教職を去り、ハイデルベルク大学名誉教授となる。1904年Archiv für Sozialwissenschaft und Sozialpolitikの編集をヤッフェおよぴゾンバルトとともに引受ける。同年セント・ルイスの国際的学術会議に出席のため渡米。帰国後研究と著述に専念し上記Archivに論文を続々と発表。1918年ヴィーン大学教授、19年ミュンヘン大学教授、経済史を講義。20年ミュンヘンで歿。
訳:大塚 久雄
1907年京都に生れる。1930年東京大学経済学部卒業。東京大学助手、法政大学講師、助教授、教授を経て1939年東京大学経済学部助教授、1947年教授。1968年定年退職。東京大学名誉教授。1970年国際基督教大学教授、1978年客員教授、1985年退職。1996年歿。著書『大塚久雄著作集』(全13巻、岩波書店、1969-86)『宗教改革と近代社会』(1964)『生活の貧しさと心の貧しさ』(1978)『社会科学と信仰と』(1994、以上みすず書房)。訳書 マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波文庫、1989)同『宗教社会学論選』(共訳、みすず書房、1972)ほか。
訳:生松 敬三
1928年東京に生れる。1950年東京大学文学部哲学科卒業。元中央大学教授。1984年歿。著書『思想史の道標』(勁草書房、1965)『現代ヨーロッパの精神史的境位』(福村出版、1971)『書物渉歴』全2巻(木田元編、みすず書房、1989)『ハイデルベルク――ある大学都市の精神史』(講談社学術文庫、1992)『現代哲学の岐路――理性の運命』(共著、講談社学術文庫、1996)『二十世紀思想渉猟』(岩波現代文庫、2000)『社会思想の歴史――ヘーゲル・マルクス・ウェーバー』(岩波現代文庫、2002)ほか。訳書 マイネッケ『近代史における国家理性の理念』(1960)ヒューズ『意識と社会――ヨーロッパ社会思想』(1970)『ふさがれた道』(1970)『大変貌』(1978)バーリン『自由論』(1971)レヴィ=ストロース『構造人類学』(1972)ヴェーバー『宗教社会学論選』(1972)ステント『進歩の終焉』(1972)ウェルズ『影のなかのロシア』(1978)(以上共訳、みすず書房)、カッシーラー『シンボル形式の哲学』1(共訳、岩波書店1989)ほか。

ISBN:9784622088615
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:3100円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRA