ミシェル・レリスの肖像
マッソン、ジャコメッティ、ピカソ、ベイコン、そしてデュシャンさえも
著:千葉 文夫
紙版
内容紹介
ミシェル・レリスの仕事は、代表作と目される『成熟の年齢』や『ゲームの規則』四部作に示されるように、記憶の襞の奥に入り込み、独自の「詩と真実」の追求を試みる自伝的作品に本領がある。
本書は幾重にも折り重なる「肖像」の意味を問い直すために書かれることになるだろう。画家たちが描くレリスの肖像があり、レリスが描く画家たちの肖像があり、画家たちとレリスが描く芸術家と芸人たちの肖像があり、そのなかには自画像もまた含まれている。イメージとテクストはそれぞれが鏡のようになって、鏡像が反射しあう。
ゲームとは、賭けであり試合であり見世物であり遊戯であり演戯である、レリスの「ゲームの規則」をさぐる試みもまた一個のゲームを構成することになるだろう。
没後30年、死後の生において「栄光」を手に入れたかに見えるミシェル・レリス。20世紀フランスにおける特異な存在である「文脈から逸脱をつづける人」についに共鳴する、エレガントなライフワーク。
目次
はじめに
第一章 骰子をふる男――マッソンの場合
第二章 ラザロのように――ジャコメッティの場合
第三章 道化役者の肖像――ピカソの場合
第四章 アナモルフォーシスの遊戯――ベイコンの場合
第五章 レリスの変身譚
第六章 ゲームとその規則――デュシャンの影
第七章 アーティストの/としての肖像
註
あとがき
図版一覧
ISBN:9784622088479
。出版社:みすず書房
。判型:A5変
。ページ数:264ページ
。定価:5500円(本体)
。発行年月日:2019年10月
。発売日:2019年10月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。