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一般言語学

新装版

著:ロマーン・ヤーコブソン
監:川本 茂雄
訳:田村 すゞ子

紙版

内容紹介

〈「社会を全体として伝達理論に関連して解釈する」という前途洋々たる企てを開始したのは、レヴィ=ストロースであった。……それゆえに言語学と、経済学と、最期に親族および婚姻の研究とは、「戦略的に異なるレベルにおいて同一種の問題に接近し、事実同一の領域に属する。」……レヴィ=ストロースは、言語は上記の三レベルのすべてに介入すると、正しく強調している。〉
構造言語学そして現代思想の形成に寄与した、言語学者による論文集。レヴィ=ストロースに影響を与えた著者ならではの「人類学者・言語学者会議の成果」にはじまり、失語症の問題、音韻論、文法、そして通信理論や翻訳や詩学と言語学との関連など、広範にわたる主題の全12編。

目次

まえがき
第一部 一般問題
I 人類学者・言語学者会議の成果
II 言語の二つの面と失語症の二つのタイプ
III 類型学とその比較言語学への貢献
IV 翻訳の言語学的側面について
V 言語学と通信理論

第二部 音韻論
VI 音韻論と音声学
VII 張りと弛み

第三部 文法
VIII 言語の音素的相と文法的相との相互関係
IX 転換子と動詞範疇とロシア語動詞
X 文法的意味についてのボーアズの見解

第四部 詩学
XI 言語学と詩学

第五部 言語学と隣接諸科学
XII 言語学と隣接諸科学

事項索引
原語索引
人名索引

著者略歴

著:ロマーン・ヤーコブソン
1896-1982。モスクワに生れる。ラザレフ東洋語学院、モスクワ大学大学院を卒業。1915年モスクワ言語学集団を創設。1920年チェコスロヴァキアに移り、マサリック大学においてロシア語学などを講ずる。1926年プラーグ言語学集団の創設に参加し、トゥルベツコイを援けて活躍。1939年ナチスの侵入にあって、デンマークとスウェーデンに2年間滞在し、それからアメリカへ移る。1942-46年ニューヨークのÉcole Libre des Hautes Étudesで教鞭をとり、その間にレヴィ=ストロースと相知る。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の教授を兼任。両大学名誉教授。業績は多方面にわたるが、その集成としてSelected Writings of Roman Jokobson (The Hague: Mouton,1962-2013)がある。邦訳は、『音声分析序説』(1965、研究社)『一般言語学』(1973、みすず書房)『音と意味についての六章』(1977、みすず書房)など多数。
監:川本 茂雄
1913年、東京に生れる。1937年、早稲田大学文学部卒業。早稲田大学名誉教授。1983年歿。主著『言語学概説』(播磨書房、1954))『コンサイス仏和辞典』(共編、三省堂、1969)『ニューワールド英和辞典』(編集主幹、講談社、1969)『ことばとこころ』(岩波書店、1977)『ことばの色彩』(岩波書店、1978)。訳書『歌物語 オーカッサンとニコレット』(岩波書店、1952)ヤーコブソン『一般言語学』(監修、みすず書房、1973)チョムスキー『知識と自由』(番町書房、1975)『言語と精神』(河出書房新社、1996)ほか。
訳:田村 すゞ子
1934年名古屋に生れる。1962年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。言語学専攻。早稲田大学名誉教授。2015年歿。

ISBN:9784622088202
出版社:みすず書房
判型:A5
ページ数:328ページ
定価:6400円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CF