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コレージュ・ド・フランス講義草稿 1959-1961

著:モーリス・メルロ=ポンティ
他訳:松葉 祥一
他訳:廣瀬 浩司

紙版

内容紹介

「哲学的な問いかけは〈存在〉と袂を分かつことはなく、それを廃棄することも、それが出現するのを見るために、無から出発してそれから身を引き離すこともなく、たんにそれを宙吊り状態に置き、それと私たちのあいだに、そのレリーフが見えるようになるような、あらゆる定立以前の、自明で沈黙した存在の現前が開示されるような、隔たりを打ち立てるものなのである」

本書は、メルロ=ポンティが1961年に急逝する直前まで書かれていたコレージュ・ド・フランス講義のための草稿はじめ、遺稿として発見された当時の講義草稿を復元・編集して一書となすものである。『見えるものと見えないもの』「研究ノート」とともに、哲学者の晩年の思索を理解する大きな手がかりとなる待望の書である。
「今日の哲学」「デカルト的存在論と今日の存在論」「ヘーゲル以後の哲学と非‐哲学」の三編を軸に、ハイデガー、フッサール、デカルト、ヘーゲル、マルクス、さらにパウル・クレーやプルーストなどを読み込み、非‐哲学のなかでの哲学の再発見、肉の存在論などの構想が多層で論じられる。クロード・ルフォール序。

目次

凡例
序文  クロード・ルフォール
はしがき  ステファニー・メナセ

1958-1959年講義
 今日の哲学

1960-1961年講義
 デカルト的存在論と今日の存在論
 ヘーゲル以後の哲学と非‐哲学

補遺
 1960年10月の執筆の下書き
 1958-1959年講義への補遺
   フッサールについてのp. 37bisの取り上げ直しと展開
   「付録XX III」の翻訳と注釈
   精神分析
 1960-1961年講義への補遺
   存在論(挿入された数葉)

訳注
訳者あとがき
書誌
事項索引
人名索引

著者略歴

著:モーリス・メルロ=ポンティ
1908年、フランスに生まれる。1926年、エコール・ノルマル・シュペリュール入学、在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知りあう。1930年、哲学教授資格試験に合格。その前年にフッサールのソルボンヌ講演を、1935-1939年には高等研究院におけるコジェーヴのヘーゲル講義を聴講。ルーヴァンのフッサール文庫に赴き、遺稿を閲覧したのは1939年。第2次大戦中は従軍・レジスタンス活動を経験した。1945年、学位論文として同年刊の『知覚の現象学』および『行動の構造』(1942)を提出。1946年、サルトルらともに『レ・タン・モデルヌ』創刊。1948年、リヨン大学教授、1949年、パリ大学文学部教授を経て1952年、コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年没。著書『ヒューマニズムとテロル』(1947)『意味と無意味』(1948)『弁証法の冒険』(1955)『シーニュ』(1960)ほか。没後『見えるものと見えないもの』(1964)『世界の散文』(1969)、コレージュ・ド・フランス講義録などが刊行されている。
他訳:松葉 祥一
1955年大阪生まれ。同志社大学文学研究科哲学・倫理学専攻博士課程満期退学。パリ第8大学博士課程中退。前神戸市看護大学教授。著書『哲学的なものと政治的なもの』(青土社、2010)、『来るべき民主主義』(共著、藤原書店、2003)ほか。訳書 バリバール『市民権の哲学』(青土社、2000)、デリダ『友愛のポリティクス』(共訳、 みすず書房、2003)、ランシエール『不和あるいは了解なき了解』(共訳、インスクリプト、2004)、メルロ=ポンティ『コレージュ・ド・フランス講義草稿 1959-1961』(共訳、みすず書房、2019)ほか。
他訳:廣瀬 浩司
1963年生まれ。東京大学教養学部総合文化研究科博士課程中退。パリ第一大学博士(哲学)。筑波大学教授。フランス思想。著書『デリダ』(白水社 2006)『知の教科書 デリダ』(共著、講談社 2003)『後期フーコー』(青土社 2011)他。訳書 フーコー『主体の解釈学』(共訳、筑摩書房 2004)メルロ=ポンティ『コレージュ・ド・フランス講義草稿 1959-1961』(共訳、みすず書房、2019)他。

ISBN:9784622087632
出版社:みすず書房
判型:A5
ページ数:544ページ
定価:7800円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:1DDN