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グレン・グールド発言集

新装版

著:グレン・グールド
編:ジョン・P.L.ロバーツ
訳:宮澤 淳一

紙版

内容紹介

グレン・グールドがこの世を去ってから35年、バッハの《ゴルトベルク変奏曲》を最初に録音してから60年以上が過ぎた。にもかかわらず、スピーカーからグールドの弾くピアノの音が流れ出すときわれわれの心は連れ出されてしまう。
いったい、この不世出のピアニスト=音楽家は、どのようにものを考え、演奏と表現を実践して、こんな独異な音楽を生み出したのだろう。本書にその答がある。

これまで刊行した『グレン・グールド著作集』『グレン・グールド書簡集』につづいて、本書に収められたのは、入手困難なインタヴュー、テレビ・ラジオ番組のための台本、未完・未定稿のまま残されたテキストなど、46編にのぼる。
バッハ、ベートーヴェン、ブルックナーなどの作曲家論、リヒテル、ワイセンベルク、ビル・エヴァンズなどのピアニスト論から、「創造プロセスにおける贋造と模倣の問題」「電子時代の音楽論」や、マクルーハンとの対話「メディアとメッセージ」まで、どこを読んでも、グールドの面目躍如、その魅力は比類がない。
日本におけるグールド研究の第一人者による、この日本語版は、遺稿「私にとって録音プロセスとは何を意味するか」を独自に加え、文献目録・註を増補、さらに貴重な写真資料も入った決定版である。

著者略歴

著:グレン・グールド
1932年9月25日トロント生まれ。ピアニスト・思想家。幼少より楽才を示し、トロント音楽院(現ロイヤル音楽院)に学ぶ。作曲家を志すが、ピアニストとして十代よりカナダで認められる。1947年トロント交響楽団と初共演、1950年CBC(カナダ放送協会)で初のラジオ・リサイタル。1955年、22歳で米国デビュー。翌年発売した《ゴルトベルク変奏曲》のアルバムで従来のバッハ解釈を刷新し、話題を呼ぶ。57年にソ連や欧州への演奏旅行に成功。以後、独自の選曲と解釈で名声を高めていくが、64年のリサイタルを最後に舞台から退き、以後はレコードと放送番組のみで演奏活動。音楽論やメディア論をめぐる文筆も行ない、新しい音楽作品を意図した「対位法的ラジオ・ドキュメンタリー」の制作も手がける。終生トロントに暮らし、82年10月4日脳卒中にて急逝。死後も人気は根強く、録音・映像・著作の紹介や学術研究が続いている。
訳:宮澤 淳一
1963年群馬県生まれ。86年青山学院大学国際政治経済学部(国際政治学)卒業、88年早稲田大学第一文学部(ロシア文学)卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了、博士課程単位取得。早稲田大学文学部助手、同講師、トロント大学客員教授(外務省派遣)等を経て、現在、法政大学・慶應義塾大学・青山学院大学・武蔵野音楽大学ほか講師。文学研究・音楽学・メディア論・文献表記法。カナダ研究・ロシア研究。第1回グレン・グールド財団栄誉賞(99年)。

ISBN:9784622086574
出版社:みすず書房
判型:A5
ページ数:488ページ
定価:6400円(本体)
発行年月日:2017年12月
発売日:2017年12月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM