もっとも崇高なヒステリー者
ラカンと読むヘーゲル
著:スラヴォイ・ジジェク
他訳:鈴木 國文
紙版
内容紹介
ジャック=アラン・ミレールの下で書き上げた博士論文をもとにした、ジジェクの出発点。若きジジェクは、ラカン・ヘーゲル・マルクスという異なる思想システムに内在する論理を架橋することで、哲学と歴史を接続し、全体主義や民主主義を読み解く視野を鮮やかに拓いた。政治的・思想的事件への鋭い発言で世界中で読まれるようになったジジェクの思想を凝縮した重要書。
目次
序 不可能な絶対知
<ラカンと読むヘーゲル>
第1章 「形式の側」――理性 対 悟性
第2章 遡行的遂行性、あるいはいかにして偶然的なものから必然的なものが生じるか
第3章 弁証法、シニフィアンの論理(1)――自己言及としての一なるもの
第4章 弁証法、シニフィアンの論理(2)――現実的なものの「三つ組」
第5章 なかったことにすること――ラカンはいかなる点でヘーゲル的か
第6章 「理性の狡知」、あるいはヘーゲルの目的論の真の本質
第7章 「超感性的なもの、それは現象としての現象である」あるいはヘーゲルはいかにしてカントの「もの自体」を超えたのか
第8章 なぜ絶対知が分割するものであるかを把握させてくれるヘーゲル的な小話二つ
<いくつかのポストヘーゲル的な行き止まり>
第9章 商品‐形式の秘密――マルクス、彼はなぜ症状を発見したのか
第10章 夢と幻想の間のイデオロギー――「全体主義」を境界づける第一の試み
第11章 神的精神病、政治的精神病――「全体主義」を境界づける第二の試み
第12章 二つの死の間――「全体主義」を境界づける第三の試み
第13章 イデオロギー的な綴じ止め――なぜラカンは「ポスト構造主義者」ではないのか
第14章 名指しと偶然性――英語圏におけるヘーゲル
訳註
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訳者あとがき