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指紋と近代

移動する身体の管理と統治の技法

著:高野 麻子

紙版

内容紹介

個人の生体認証技術を考えるとき、すぐ思いつくのは指紋である。「終生不変」「万人不同」という特徴をもつ指紋を生かした指紋法は、19世紀末イギリスの植民地インドで生まれたが、その後、日本の満州国で発展をとげ、現在に至っている。そこには、犯罪者を含め移動する人々、ひいては全国民を管理・統治しようとする国家の狙いがあった。実証と構想を併せてその歴史と現在を初めて描いた力作。

目次

序章 指紋をめぐる問い/第1章 「指紋法」誕生の軌跡:イギリス帝国のネットワークと移動する身体という「課題」/第2章 指紋法の伝播:イギリス帝国から日本帝国へ/第3章 満洲国の理想と現実:建国当初における指紋登録をめぐる動き/第4章 労働者指紋登録の開始:労働者移動と格闘する時代へ/第5章 労働者管理から国民登録へ:「国民手帳法」という結末の意味/第6章 警察制度改革と拡大する指紋:警察指紋・国民指紋法・県民指紋登録/第7章 戦後日本の再編と指紋:戸籍法・住民登録法・外国人登録法/終章 生体認証技術の現在を考えるために

ISBN:9784622079675
出版社:みすず書房
判型:4-6
ページ数:304ページ
定価:3700円(本体)
発行年月日:2016年02月
発売日:2016年02月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MBN