パクリ経済
コピーはイノベーションを刺激する
著:カル・ラウスティアラ
著:クリストファー・スプリグマン
他訳:山形 浩生
内容紹介
イノベーションとイミテーションに関する六つの教訓とは。
郊外のショッピングモールから街のビストロまで、パクリはあらゆる場所にあふれている。「コピーは創造性を殺す」「法律によるコ ピー規制がイノベーションには欠かせない」――通常はこう考えられている。しかし、コピーは絶対に悪なのだろうか?
本書は、創造性がコピーによってむしろ活性化することがあることを示す。ファッション、外食産業、アメフト、コメディのネタ、フォント、データベース産業など米国では一般的にコピーが合法とさ れている領域のケーススタディからわかるのは、知財規制がないほ うがむしろイノベーションが加速されるということなのだ。
なぜそれらの業種は繁栄しているのか? インセンティブとイノベ ーションの関係から、その6つの原因を探り、知財法と経済学のあ いだを埋める試み。
目次
■はじめに
料理
コメディアン
アメリカン・フットボール
■第1章:コピー商品とファッションの虜たち
ファッション産業超略史
なぜコピーが合法なのか?
コピー規制──1930年代のファッション・オリジネーターズ協会
コピーに関する今日の議論
コピー製品の世界
著作権侵害のパラドックス
ファッション・サイクル
誘発される衰退
定着
規範と先行者利益
社会規範
先行者利益
結び──デザイナーは自分自身のデザインをコピーしなければならない?
■第2章:料理、コピー、創造性
料理超略史
キッチンにおけるコピー
コピーの限界
キッチンでのコピーを巡る議論
なぜシェフたちはそんなにも創造的なのか?
規範
アナログとデジタル、製品とパフォーマンス
評判
オープンキッチン
結び──創造的カクテル、あるいはなぜドリンクはディナーについて多くを教えてくれるのか
■第3章:コメディ自警団
スタンダップ・コメディ超略史
スタンダップ・コメディアンには無意味な著作権
当世スタンダップ・コメディアンとその社会規範
汝、隣人のジョーク、設定、ネタを欲しがるなかれ
設定を制するものがジョークを制する
誰が最初か?
施行・強制
コメディにおける反コピー規範とイノベーション
結び:規範のマジック
■第4章:アメフト、フォント、金融、ファイスト裁判
アメフト:イノベーションとIフォーメーション
パイオニアvs改変屋
改変ノミクス
改変の法則
フォント
フォントと著作権
フォント技術と複製の容易さ
技術はコピーを容易にするが、イノベーションも容易にする
印刷技術の変化はフォントのイノベーションをもたらす
フォントは製品ではない:製品は何か別のもの
フォントとファッションの周期
金融イノベーション
データベース
■結論:コピーと創造性
イノベーションとイミテーションに関する6つの教訓
トレンドとサイクル
社会規範
製品とパフォーマンス
オープン性とイノベーション
先行者利益
ブランド作りと宣伝
費用、便益、創造性
楽観バイアス
トーナメント市場
創作費用
まとめ
■エピローグ:音楽の未来
音楽産業衰退超略史
ナップスターの登場
長いものには巻かれろ
P2Pから個人へ
アップル社による音楽界制覇
将来を見据える
体験としての音楽
ソーシャル・ネットワークとしての音楽
品質を強調
すべての道はコンテンツへ
まとめ
謝辞
解題:山田奨治
原注/索引
ISBN:9784622079408
。出版社:みすず書房
。判型:4-6
。ページ数:392ページ
。定価:3600円(本体)
。発行年月日:2015年11月
。発売日:2015年11月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GLK。