目 次
第I部 上下水道の歴史
第1章 上下水道の起源
メソポタミア文明における水インフラ/インダス文明における水インフラ/ペルシアのカナート/古代ローマの水道と下水道/階段井戸
第2章 ヨーロッパにおける上下水道
パリの下水道/ヨーロッパにおける水道水質管理の幕開け/近代的下水道の建設/微生物を用いた下水処理のはじまり
第3章 日本における上下水道――江戸時代まで
環濠集落と排水システム/水田と井戸のある暮らし/まいまいず井戸/太閤下水/神田上水と玉川上水/江戸のし尿循環システム/雨落下水と割下水
第4章 日本における上下水道――明治時代から戦前まで
横浜水道/横浜下水,神田下水/東京ニ衛生工事ヲ興ス建議書/3府5港の水道/水道条例/琵琶湖疏水/近代水道の普及と塩素消毒/日本最初の近代的下水処理場
第5章 日本における上下水道――戦後復興期以降
水道法と下水道法/小河内ダム/河川の暗渠化と下水道整備/高度経済成長期の水道/水質保全のための下水道整備/コラム:ヘンリー.スペンサー.パーマー/コラム:随所に日本初――京都を支え続ける琵琶湖疏水
第II部 上水道
第1章 上水道のあらまし
上水道に関する法律/水道事業の種類/水道施設の仕組み/水道施設の規模/上水道とDX(デジタルトランスフォーメーション)/水道施設の耐震化や津波対策
第2章 水道の施設(水源から浄水場・配水池)
水源の種類と取水施設,導水施設/ダム/水源の水質悪化への対応/渇水/浄水場の仕組み/急速ろ過・緩速ろ過システム/浄水処理で発生する汚泥処理/配水池の仕組み
第3章 水道の施設(水道管)
水道管の種類/水道管の腐食と対策/送配水管の計画・管理/水道管工事/水管橋・橋梁添架管/共同溝内の配管/バルブなどの付属設備/水道管の維持管理/水道管の漏水
第4章 水道の施設(給水装置)
給水装置/建築物への給水方法/給水装置の工事/水道メーター/給水装置の維持管理
第5章 水道の設備機器
電気機械設備/薬品注入設備/監視制御システム/水量・水圧・水質を計測する機器
第6章 水道水の水質
水質基準/おいしい水/残留塩素/赤水・黒水への対応/異臭味と対策/水道水の安全性/コラム:これからの上水道
第III部 下水道
第1章 下水道システムの概要
下水道の役割と実施主体/下水道の所管省庁の変遷/下水道システムの構成/排水設備/財源構成/下水処理の目標水質と環境保全/下水道と合併浄化槽の役割分担/合流式と分流式
第2章 下水道管の仕組みと保全
下水道管の種類/ポンプ場の役割と種類/マンホールの役割と仕組み/下水道管の計画と設計/下水道管の埋設技術/道路陥没/腐食と硫化水素/下水道管の調査技術/下水道管の修繕・改築技術
第3章 下水処理技術
下水処理場の仕組み/下水処理場の計画と設計/活性汚泥法/OD法(オキシデーションディッチ法)/消毒/膜処理技術/高度処理技術/下水汚泥の処理と有効利用/下水汚泥の濃縮/下水汚泥の消化/下水汚泥の脱水
第4章 下水道の新たな役割と市民とのつながり
下水処理場の空間利用/下水道管内光ファイバー/下水疫学/自然災害と下水道/下水道とDX(デジタルトランスフォーメーション)/市民科学/B-DASHプロジェクトによる技術開発/マンホールカード/下水道を支える多様な分野と業界/紙オムツと下水道システム/下水道と広報/循環のみち下水道賞/コラム:これからの下水道
第IV部 上下水道事業の経営と官民連携
第1章 経営関係
水道料金/下水道使用料/水道加入金/下水道受益者負担金/料金決定原則と総括原価主義/水道料金体系/地方公営企業会計制度/企業債制度
第2章 手法関係
官民連携のおもな手法/公共施設等運営権(コンセッション)/公民共同企業体(第3セクター)を活用した上下水道サービス/広域化
第3章 法令関係
PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)/公の施設/包括民間委託/指定管理者制度/第三者委託/利用料金制
第4章 推進体制
PFI事業のガイドライン/官民連携の推進体制の仕組み/ウォーターPPP
第5章 入札・契約関連
契約・入札・選定方式/独立規制機関とモニタリング
第V部 危機管理と災害対策
第1章 水 道
新潟県中越地震による水道被害と教訓/東日本大震災による水道被害と教訓/西日本豪雨の水道被害と教訓/水道事業における放射性物質対策/水道事業の災害時支援ルール/水道事業BCP(事業継続計画)/水道事業の災害対応訓練/渇水リスク/災害時における応急給水/水道事業のテロ対策/水道分野のサイバーセキュリティ対策/水道の情報システムのセキュリティ対策と体制/地震による液状化とその対応/水道施設における停電対策/新潟県中越地震の下水道被害と教訓/東日本大震災の下水道被害と教訓/令和元年東日本台風の下水道被害と教訓/福島第一原子力発電所事故と下水道/下水道事業の降灰対策/下水道事業の災害時支援ルール/下水道事業BCP(事業継続計画)/下水道事業の災害対応訓練/気候変動を踏まえた都市浸水対策/アセットマネジメントの考え方/雨水貯留施設/下水道におけるグリーンインフラの活用/水防災意識社会再構築ビジョンと防災意識/ハザードマップとマイ・タイムライン/内水氾濫と外水氾濫/AI技術を活用した浸水対策/流域治水/TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)/浸水対策のリスクコミュニケーション/水位周知下水道/コラム:富士山噴火を想定した水道事業の降灰対策
第VI部 持続可能な社会に向けた取り組み
第1章 健全な水循環の創出
SDGs(持続可能な開発目標)/水循環基本法と水インフラの役割/水道水源の保全/雨水の有効活用/雨水の流出抑制/地下水の持続的利用/下水処理水の再利用/健全な水循環の創出/下水放流水と生態系への配慮/水インフラと資源循環
第2章 循環型社会における水インフラ
下水からの資源回収/下水からのエネルギー回収/水インフラのライフサイクル評価
第3章 気候変動と水インフラでの取り組み
カーボンニュートラルと水インフラ/水道と温暖化対策/導水・送水・配水の高効率化とCO2削減/浄水場の高効率化とCO2削減/水道と再生可能エネルギーの活用/下水道と温暖化対策/下水処理の効率化とCO2削減/汚泥処理の効率化とCO2削減/下水道と再生可能エネルギーの活用/水道事業の気候変動の影響と適応/下水道事業への気候変動の影響と適応/コラム:浄水汚泥と有効活用
第VII部 世界の水インフラ
第1章 世界の水インフラを理解するためのキーワード
水需要と水源開発/WHO飲料水水質ガイドライン/ヒ素汚染/フッ素汚染/水系感染症/水道料金制度/無収水/流量計測地区/水道民営化
第2章 さまざまな都市の水インフラ
アブダビ(アラブ首長国連邦)/オランダ王国/カトマンズ(ネパール)/ケープタウン(南アフリカ共和国)/サンパウロ(ブラジル連邦共和国)/ジャカルタ(インドネシア共和国)/シンガポール共和国/ダブリン(アイルランド)/チェンナイ(インド共和国)/ニューヨーク(アメリカ合衆国)/パリ(フランス)/プノンペン(カンボジア王国)/フリント(アメリカ合衆国)/香港(中華人民共和国)/マニラ首都圏(フィリピン共和国)/メルボルン(オーストラリア連邦)/モントリオール(カナダ)/ヤンゴン(ミャンマー連邦共和国)/ラホール(パキスタン・イスラム共和国)/ルール川流域(ドイツ連邦共和国)/ロサンゼルス(アメリカ合衆国)/ロンドン(イギリス)
第VIII部 水ビジネス
第1章 概 要
水ビジネスとは
第2章 国際協力
政府開発援助(ODA)と国際協力機構(JICA)/円借款/無償資金協力/日本政府による事業実現可能性調査(F/S)支援/自治体連携/国際標準化/国際NGO/国際的な連携の醸成と機会の創出
第3章 資金調達
海外投融資/JBICの投資,融資メニュー/世界銀行グループ:国際金融公社
第4章 ビジネス形態
PPP(PublicPrivatePartnership)/コンセッション/EPCプロジェクト/エンジニア(コンサルタント)/PQ(Prequalification)と入札(Tender)/仕様発注と性能発注(デザインビルド)/デザインビルドオペレート/標準契約約款(FIDICとENAA)/JVとコンソーシアム
第5章 海外特有技術
海水淡水化/ラグーン方式/ボトル水販売と車載式浄水装置/下水処理水の再利用/汚泥天日乾燥床/膜分離活性汚泥法/既設市街地の下水道整備/浄化槽ビジネス/推進工法の国際展開/コラム:コンサルタントから見た海外水ビジネス/コラム:商社の水ビジネスの展開/コラム:水処理プラントメーカーの海外展開