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環境問題の数理科学 発展編

監:蛯名 邦禎
監:冨塚 明
他訳:粟谷 かよ子

紙版

内容紹介

本書は前著『環境問題の数理科学入門』の跡をたどって,環境科学で有用なモデル作りの腕前をさらに上げてもらうためのものです.前著の内容に習熟しているとなおよいですが,それとは独立して学べるようになっています.

本書は解析的なアプローチでモデルから情報を取り出すことに重点を置き,確率,最適化,スケーリング,微分方程式,安定性とフィードバックという5つのテーマをめぐって構成されています.

各章では初めに関係する数学概念を取り扱い,本書の中心をなす25の課題は,標準的な演習というよりは研究の課題という形で記述されます.各課題への解答の後には宿題用の演習がつき,概念や方法の理解を確かめる比較的簡単なものから,より難易度が高い研究提案にまで及びます.

本書を読むことで,自然の複雑さをモデル化する方法,つまり複雑な系の本質的でない詳細を捨て去り数学を使ってその本質を捉える方法へのより深い洞察が得られるでしょう.

目次

まえがき
謝辞
日本語版への著者のノート
第I章 確率
まえおき
予備知識
課題
I-1 毒を選ぶのはご自分で
I-2 中国における嬰児殺し?
I-3 シーザー最期の息
I-4 青天の霹靂?
I-5 君住む街角
第II章 最適化
まえおき
予備知識
課題
II-1 農家への助言
II-2 効果的な個体数調査
II-3 風に吹かれて
II-4 性急は浪費を生む
II-5 恩を仇で返す(I)
第III章 スケーリングと次元整合性
まえおき
予備知識
課題
III-1 山はどれだけ高くなれるか
III-2 眠れる森の熊たち
III-3 緑色の宇宙人?
III-4 抵抗には,うんざり
III-5 種を守るには――保護区の形状の役割
第IV章 時間・空間変化のコアモデル
まえおき
予備知識
課題
IV-1 汚染物質のストックとフロー――CO2の排出を再構成する
IV-2 生物集団の個体数――成長の限界
IV-3 気候――太陽の変動性の影響
IV-4 群集生態学――周期現象の起源
IV-5 生物地球化学――窒素の施肥と炭素の吸い込み
第V章 安定性とフィードバック
まえおき
予備知識
課題
V-1 コアモデルの安定性
V-2 氷に覆われてと言う者あり
V-3 恩を仇で返す(II)
V-4 ヤマヨモギ・ワールド
V-5 海の気は抜けるでしょうか
付録 役に立つ数式表現と近似
理解を深めるための文献
訳者あとがき
索引

ISBN:9784621305683
出版社:丸善出版
判型:A5
ページ数:248ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年11月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ